イドリブ県のM4高速道路沿線での爆発でトルコ軍兵士1人死亡、トルキスタン・イスラーム党が関与か?(2020年5月27日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから83日目となる5月27日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(場所特定せず)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(場所特定せず)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ジスル・シュグール市に近いガッサーニーヤ村のM4高速道路沿線で大きな爆発が発生し、トルコ軍の士官1人と兵士1人が負傷した。

負傷した2人はトルコ軍のヘリコプターで、トルコ領内(ハタイ県レインハル市)に搬送されたが、重傷だった兵士1人はその後死亡した。

これに関して、シリア人権監視団は、爆発が「反体制派諸派」を伴ったトルコ軍の車輌を狙ったものだと発表した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(5月27日付)は、爆発が、トルコ軍パトロール部隊が国民軍を随行して通過するのに合わせて発生、これと前後して部隊は無差別発砲を受けたと伝えた。

イナブ・バラディー(5月26日付)は、この弾薬庫がトルキスタン・イスラーム党のものだと思われるとしたうえで、トルコ軍将兵以外にも国民軍の戦闘員3人が負傷したと伝えた。

しかし、トルコ国防省は事件発生直前に、反体制派の弾薬庫と思われる建物で火災が発生、その後に大爆発を起こす様子を撮影した無人航空機(ドローン)の映像を公開し、爆発がトルコ軍のパトロール部隊が通過した際に偶然発生したものだとの見解を示した。

兵士死亡を受けて、トルコ軍は国境地帯上空にヘリコプターに派遣、ロシア軍戦闘機と偵察機もイドリブ県上空での偵察・監視活動を強化した。

その後、今度はガッサーニーヤ村近郊に位置するトルキスタン・イスラーム党勢力下のタイバート村で大きな爆発が発生した。

爆発はトルキスタン・イスラーム党の武器弾薬庫で起きたもので、戦闘員6人が死亡、多数が負傷した。

爆発発生時、ロシア軍のヘリコプター複数機がタイバート村上空を旋回していたが、爆発がロシア軍による爆撃か否かは不明。

一方、シリア軍は、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、スフーフン村、カンスフラ村一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、トルコ軍が兵站物資を積んだ車輌30輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

このほか、サルミーン市で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、1人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、タカード村でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムサイフラ町とウンム・ワラド村を結ぶ街道で、シリア軍第15師団の兵士2人が武装集団の発砲を受けて、死亡した。

AFP, May 27, 2020、ANHA, May 27, 2020、AP, May 27, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2020、‘Inab Baladi, May 27, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 27, 2020、NeSyria, May 27, 2020、Reuters, May 27, 2020、SANA, May 27, 2020、SOHR, May 27, 2020、UPI, May 27, 2020などをもとに作成。

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