ハサカ県で住民とシリア軍が米軍部隊の進行を阻止(2020年7月2日)

ハサカ県では、SANA(7月2日付)によると、M4高速道路のタッル・タムル町とアブー・ラースィーン(ザルカーン)町を結ぶ区間に位置するダルダーラ橋(ダルダーラ村近郊)に展開するシリア軍部隊が、橋を通過しようとした米軍装甲車複数輌からなる車列の進行を阻止し、退却させた。

シリア人権監視団によると、米軍部隊の進行を阻止したのはダルダーラ村の住民とシリア軍部隊。

部隊はタッル・タムル町方面に向かおうとしていた。

住民らと米軍部隊の緊張が高まったのを受けて、ロシア軍部隊が現場に駆けつけ、両者を引き離し、米軍を退却させた。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍がマーリキーヤ(ダイリーク)市近郊のカーサーン村、カスル・ディーブ村で重点パトロールを実施、また同地一帯でのパトロール態勢を強化するため、マーリキーヤ市入り口に位置するワーニカ村に部隊を集結させた。

これに対して米国は、ロシア軍がマーリキーヤ市一帯への進入を阻止するため、アイン・アブド村に装甲車を待機させ、ロシア軍パトロール部隊の進行を妨害した。

このほか、6月30日にダイルナー・アーガー村近くで野営を続けていたロシア軍部隊がカーミシュリー市の基地に撤退した。

 

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同じくハサカ県では、SANA(7月2日付)によると、米軍の装甲車や大型貨物車輌など約30輌からなる車列が、ヤアルビーヤ町(タッル・クージャル)の国境通行所を経由し、イラク領内からシリア領内に新たに進入した。

これに関して、シリア人権監視団は複数の情報筋から得た情報だとして、米軍がヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町近郊にある農業用の空港に軍事基地を設置したと発表した。

AFP, July 2, 2020、ANHA, July 2, 2020、AP, July 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2020、Reuters, July 2, 2020、SANA, July 2, 2020、SOHR, July 2, 2020、UPI, July 2, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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