軍・治安部隊がヒムス市バーブ・アムル地区の掃討作戦を完了したと発表するなか、イラク首相がアサド政権主導の「上からの改革」に対し疑義を呈する(2012年2月29日)

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国内の暴力

『ハヤート』(3月1日付)などによると、ヒムス市バーブ・アムル地区に対して軍・治安部隊が地上作戦を開始し、治安消息筋によると、「同地区は制圧された。軍は同地区の掃討作戦を完了した」という。

al-Hayat, March 1, 2012

しかし複数の活動家によると、現地点で軍はバーブ・アムル地区に入っておらず、同地区を包囲しているのみで、自由シリア軍とインシャーアート地区、マルアブ通りなどで激しく交戦している、という。

彼らによると、バーブ・アムル地区周辺には軍・治安部隊の増援部隊が到着、そのほとんどが第4(機甲)師団だという。

軍・治安部隊はこのほかにも、ダルアー県、イドリブ県、ダマスカス郊外県、ハマー県などで掃討作戦を展開し、反体制活動家によると数十人が死亡した。

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ヒムス県では、反体制活動家やシリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・アムル地区への進入を試みる軍…治安部隊に対して、自由シリア軍兵士数百人が抵抗している、という。

また同市ではライフラインが遮断され、食糧品、医療物資などが不足している、という。

一方、ラスタン市でも軍・治安部隊が砲撃を行い、シリア人権監視団によると、複数の死傷者が出た。

SANA(2月29日付)によると、ヒムス市労働者病院が武装テロ集団の襲撃をうけ、看護師1人が殺害された。

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ダルアー県では、反体制活動家によると、治安部隊兵士8人がティーバで離反兵と交戦し、死亡した。

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イドリブ県では、反体制活動家によると、兵士37人が離反し、トルコに避難し、「ハマド・ブン・ジャースィム大隊」を結成した。

またサルミーン市では、軍・治安部隊の攻撃で少なくとも15人が死亡した。

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ハマー県では、軍・治安部隊がハルファーヤー市に対する掃討作戦を続けた。

一方、近隣のカルナーズ町で行われたとされるハルファーヤー市との連帯を求める反体制デモの映像などがYoutubeを通じて配信された。

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ダマスカス県郊外県では、複数の活動家によると、各地で深夜に反体制デモが行われ、ハラスター市などでは治安部隊が活動家ら18人を逮捕した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ大学で数千人の学生が反体制デモを行った。

アサド政権の動き

ジハード・マクディスィー外務省報道官は記者会見を行い、「カタールとサウジアラビアによる反体制勢力武装化の呼びかけはシリアへの敵対行為だ」と厳しく非難した。

またコフィ・アナン前国連事務総長のシリア危機担当国連・アラブ連盟合同特使就任に関しては、同特使の任務に関する国連の説明を待っており、そのうえで対処すると述べた。

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『クッルナー・シュラカー』(2月29日付)は、26日の新憲法信任国民投票の実際の結果は75%が不信任、25%が信任だったと報じた。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン事務局長は、EUによる追加制裁発動を歓迎するとともに、評議会の国民の正当な代表としての承認に関して、他の反対勢力に対して評議会への参加を呼びかけることで前進するとの意思を示し、支持を求めた。

諸外国の動き

新華社通信(2月29日付)によると、中国の楊潔篪外務大臣は、アサド政権と反体制勢力の双方に対して「即時暴力の停止」と「政治的対話の開始」を求めるとともに、「国際社会は(危機解決に)相応しい状況を創出し、人道支援を行わねばならない」と述べた、と報じた。

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CNN(2月29日付)は、米国務省高官の話として、米国がアサド政権の弾圧を停止させるため、軍事的な介入なども視野に入れたかたちでの具体的な計画を数週間中に行うだろうと報じた。

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コフィ・アナン・シリア危機担当国連・アラブ連盟合同特使がニューヨークに到着した。

潘基文事務総長とシリア情勢について意見を交換する予定。

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フランス外務省報道官は、22日の軍・治安部隊の攻撃で負傷し、現在もなおヒムス市にいるとされるエディット・ブヴィエ女史の「安全かつ迅速な搬出のためのすべての条件をシリア政府が満たすことを期待する」と述べ、停戦を呼びかけた。

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国際人権団体Avaazは、英国人カメラマンのポール・コンロイ氏のヒムス市からレバノンへの「脱出」に際して、シリア人活動家13人が命を落としたと発表した。

また『ワシントン・ポスト』(2月29日付)によると、ヒムス市バーブ・アムル地区から外国人記者4人を「脱出」させようとしていた約40人の活動家を軍・治安部隊が要撃し、13人の活動家を殺害した、という。

シリア政府によると、これらの外国人記者はシリア国内に不法入国し、取材活動をしていた。

デビッド・キャメロン英首相は、ポール・コンロイ氏のロンドンへの「脱出」を受けて、その無事が確認されたことを明らかにするとともに、同氏の勇気を讃えた。

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スペイン紙『エル・ムンド』は、22日に殺害されたマリー・コルヴィン記者らとともにヒムス市で取材を行っていた同紙記者のジャヴィエール・エスピノーザ氏が、無事レバノンに出国したと発表した。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相はサウジ紙『アッカーズ』(2月29日付)で、「イラクはシリアの変革を支持する…。変革なくして安定はあり得ない…。完全な自由が与えられ、挙国一致内閣が発足し、公正な選挙がアラブおよび国際社会の監視のもとに実施されねばならず、憲法を承認するための議会が選ばれねばならない」と述べ、アサド政権主導の「上からの改革」に対して暗に疑義を呈した。

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リビア暫定国民評議会のムスタファー・アブドゥルジャリール議長が、シリア国民評議会の使節団と会談し、シリア国民への人道支援を行うことを約束した。

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クウェート国会は、政府に対して、シリア国民評議会をシリア国民の正当な代表として承認するよう提言した。

AFP, February 29, 2012、Akhbar al-Sharq, February 29, 2012、al-Hayat, March 1, 2012、Kull-na Shurakā’, February 29, 2012、Naharnet.com, February
29, 2012、Reuters, February 29, 2012、SANA, February 29, 2012、The Washington Post, February 29, 2012などをもとに作成。

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