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2014年4月11日のシリア情勢:国内の暴力

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団は10日早朝、ブーカマール市を制圧したイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に対する反転攻勢を開始し、同市全土を奪還し、ダーイシュはT2油田地帯に撤退した。

この戦闘で、ヌスラ戦線などの戦闘員67人(うち7人はT2油田地帯で処刑)、ダーイシュの戦闘員19人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、サラミーヤ市・イスリヤー村間の検問所をジハード主義武装集団が攻撃し、国防隊の隊員13人が死亡した。

ジハード主義武装集団戦闘員も4人が死亡した。

これにより、反体制武装集団は、サラミーヤ市とイスリヤー村の間に位置するマジュバル検問所、シャイフ・ヒラール検問所を制圧したという。

またカフルズィーター市が軍の「樽爆弾」による空爆を受ける一方、サラミーヤ市郊外で国防隊の車輌に仕掛けられた爆弾が爆発し、隊員3人が死亡した。

一方、SANA(4月11日付)によると、ジャルマ地方、シャイフ・ハディード地方で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカルザリー村で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、市民2人が死亡した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ヒーシュ村郊外の軍検問所をジハード主義武装集団が制圧し、軍が同地一帯を空爆した。

またジハード主義武装集団はヒーシュ村北部のマフラシャ検問所を砲撃した。

一方、SANA(4月11日付)によると、タッル・サラムー村、ダブシーヤ村、アブー・ズフール航空基地周辺、タラブ村、ウンム・ジャリーン村、ブーヤドル村、バヤーイーヤト・スフナ市、シュグル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市ラームーサ地区での戦闘で、ジハード主義武装集団戦闘員12人、軍、国防隊の兵士9人が死亡した。

また軍は、アナダーン市、フライターン市、カブターン・ジャバル村を地対地ミサイル、「樽爆弾」などで攻撃した。

一方、アレッポ・ニュース(4月11日付)によると、シャリーア委員会は、アレッポ市ハラク地区でタウヒード旅団戦闘員3人と民間人1人を逮捕した。

タウヒード旅団戦闘員3人はこの民間人を追跡、逮捕しようとしていたという。

またクッルナー・シュラカー(4月11日付)によると、治安機関がアレッポ市にある民主的変革諸勢力国民調整委員会書記長のラジャー・ナースィル弁護士の自宅に対して強制捜査を行った。

さらにARA News(4月11日付)によると、バーブ市郊外のシュドゥード村をジハード主義武装集団が砲撃し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と交戦した。

他方、SANA(4月11日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、カフルハムラ村、フライターン市、ダーラト・イッザ市、アターリブ市、マアーッラト・アルティーク村、マンスーラ村、アッザーン村、カフルダーイル村、クワイリス村周辺、ハーン・アサル村、アレッポ市バニー・ザイド地区、ジャムイーヤト・ハルフィーイーン地区、ラーシディーン地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・フード地区で激しい爆発音が聞こえ、その後同地区およびその周辺で、軍とジハード主義武装集団が交戦した。

一方、SANA(4月11日付)によると、ガースィビーヤ村、ウユーン・フサイン村、ラスタン市、タルビーサ市、シューマリーヤ山、北シューマリーヤ山、アブー・ハワーディート山、グール・アースィー村、ヒルバト・ハマーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヒムス市ジュッブ・ジャンダリー地区で、反体制武装集団の戦闘員8人が当局に投降した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムライハ市およびその周辺、サイドナーヤー監視所周辺、ザバダーニー市郊外および東部山岳地帯、タルフィーター村郊外の山岳地帯で、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

一方、SANA(4月11日付)によると、カタナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、女性、子供を含む市民10人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ナスル山周辺、タッラト・サフラ周辺を軍が「樽爆弾」などで空爆、砲撃した。

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ラッカ県では、ARA News(4月11日付)によると、南部のルワイビダ村、マルドゥーダ村をラッカ革命家旅団がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)より奪取する一方、ファーリス村では「自由シリア軍」はダーイシュの包囲を受け、撤退した。

またアナトリア通信(4月11日付)は、ダイル・ザウル県で取材をしていたジャズィーラ・チャンネルの特派員アンマール・ハーッジ氏が10日、ラッカ県経由でトルコに向かう途中、ダーイシュに逮捕されたと報じた。

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クナイトラ県では、SANA(4月11日付)によると、アイン・ズィーワーン村一帯で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(4月11日付)によると、ダルアー中央刑務所西部、ダルアー市各所(マンシヤ地区、キルク地区など)、ラジャート高原一帯、アーイブ村、ヌアイマ村、サムリーン村、ナワー市、シャイフ・マスキーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、SANA(4月11日付)によると、カッサーア地区、アッバースィーイーン地区、シャーグール区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾した。

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ハサカ県では、SANA(4月11日付)によると、ハサカ市サーリヒーヤ製パン用窯前で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発した。

AFP, April 11, 2014、Anadolu Ajansı, April 11, 2014、AP, April 11, 2014、ARA News, April 11, 2014、Champress, April 11, 2014、Halabnews.com, April 11, 2014、al-Hayat, April 12, 2014、Iraqinews.com, April 11, 2014、Kull-na Shuraka’, April 11, 2014、Naharnet, April 11, 2014、NNA, April 11, 2014、Reuters, April 11, 2014、SANA, April 11, 2014、UPI, April 11, 2014などをもとに作成。

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