2014年4月18日のシリア情勢:反体制勢力の動き

イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のアブー・ムハンマド・アドナーニー報道官は、音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=roUKoO1-3hc)を出し、アイマン・ザワーヒリー氏が指導するアル=カーイダを「ジハードの方法から逸脱している」と批判した。

声明でアドナーニー報道官は「アル=カーイダ機構指導部は正しい道から逸脱した…。アル=カーイダは今や聖戦アル=カーイダではない…。指導部は、アッラーのお許しのもとにもたらされるイスラーム国家とカリフ制建設の構想を破壊するための楔になりさがった…。離反者の忠誠を受け入れ、ムジャーヒドゥーンの隊列を引き裂き、イスラーム国家への戦争を始めた」と非難した。

またアドナーニー報道官は「イスラーム国とアル=カーイダの対立は、誰かを殺したというような問題でも、誰に忠誠を尽くすかという問題でもない…。問題はゆがんだ宗教をめぐるものだ」と付言した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のミシェル・キールー氏(シリア民主主義者連合代表)は、『クドス・アラビー』(4月18日付)に、ジュネーブ2大会第3ラウンド参加の是非に関して、「現地のパワー・バランスが変化じ…自由シリア軍が勝利する」か、「移行期および民主化プロセスについての詳細について米露が相互理解に達しない限り」参加しないと述べた。

キールー氏はまた、自身の出身地であるラタキア県での戦況に関して、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の参戦に難色を示しつつ、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の侵攻については、「住民に対する戦闘にならないようにしつつ…、自由シリア軍を強化し、海上への影響力を行使できるようにしなければならない」と主張した。

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ARA News(4月18日付)によると、ハサカ県の対イラク国境に位置するカラー・スール村で、民主統一党の支持者らが、イラク・クルディスタン地域当局による国境地帯での堀掘削に反対するデモを行った。

AFP, April 18, 2014、AP, April 18, 2014、ARA News, April 18, 2014、Champress, April 18, 2014、al-Hayat, April 19, 2014、Iraqinews.com, April 18, 2014、Kull-na Shuraka’, April 18, 2014、Naharnet, April 18, 2014、NNA, April 18, 2014、al-Quds al-‘Arabi, April 18, 2014、Reuters, April 18, 2014、SANA, April 18, 2014、UPI, April 18, 2014などをもとに作成。

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