アサド大統領は、テレビ会議システムでロシアのプーチン大統領と会談し、「難民帰還に関する国際会議」について意見を交わす(2020年11月9日)

アサド大統領は、テレビ会議システムでロシアのヴラジミール・プーチン大統領と会談を行い、11日と12日に開催が予定されている「難民帰還に関する国際会議」について意見を交わした。

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会談のなかで、アサド大統領は、「難民帰還に関する国際会議」開催前日にプーチン大統領とテレビ会議システムで交信できたことに謝意を示し、以下のように述べた。

「難民問題は、我々にとっても、あなた方にとっても、そして世界中の多くの国にとって人道問題であるが、我々にとっては国民的な問題でもある。シリアのすべての家がこの問題に関心がある。国土の大部分が解放され、テロが続くなかで大規模な戦闘が収束したなかで、我々政府にとっても、それは、今後の段階における第1の優先課題だ。

この問題(難民問題)には、この会議、そして、我々、あなた方、そしてこの問題に関心があるすべての国が取り扱うべき優先課題であり、それは原因から究明されねばならない。周知の通り、難民の大部分はテロから、殺戮、恐怖から逃れた人たちだ。インフラが破壊され、都市、村などで生活できなくなったために避難した人たちもいる。この間、我々はこうした難民の多くと直接、あるいは彼らを帰国させたいと考えている受け入れ国を通じて連絡を取り合ってきた。彼らの大部分が、シリアへの帰国を強く望んでいる…。しかし最大の障害は、一部地域でテロが続いていることだ。

最大の問題は、西側諸国がシリア、つまり国家と国民に制裁を科していることだ。難民が帰還するには、彼らが暮らしていくために必要な必需品が補償される必要がある。水、電気、学校などだ。彼らには子供がいる…。加えて、彼らを帰還させ、日常生活を送れるようにするには…経済を活性化させるという問題もある。問題は、米国が科している西側の制裁が、帰還への大きな障害になっていることだ。

我々シリアは、この大会が実質的な成果を生み出すと大いに希望している…。和解の枠組みにとどまらず、多くの難民が政府を支持している。だが、現状が彼らの帰還を許していない。我々は、あなたがた、そしてその他の国々が、不正に満ちた違法な制裁の解除、ないしは軽減の可能性を探るために取り組むことに大いに期待している。そうすることで、シリアは国家として、帰還者に対して自らの義務を果たすことができる。

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一方、プーチン大統領は、「難民帰還に関する国際会議」を支援し、シリア政府と連携して、難民帰還を支援するために全力を尽くすと述べるとともに、紛争の政治的解決に向けて努力すると付言した。

また、危機終結後の復興プロセスにおいて、難民の帰還が必要となるとの見方を示した。

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SANA(11月9日付)が伝えた。

AFP, November 9, 2020、ANHA, November 9, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 9, 2020、Reuters, November 9, 2020、SANA, November 9, 2020、SOHR, November 9, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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