ロシア軍が2ヶ月ぶりにイドリブ県を爆撃、トルコ軍は同県内を通るM4高速道路沿線に監視カメラ設置を開始(2021年2月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるハルブヌーシュ村北西の武装集団拠点と、クールカーニヤー村一帯を3回にわたって爆撃、戦闘員多数が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア軍がイドリブ県に対して爆撃を行うのは、2020年12月7日以来約2ヶ月ぶり。

また、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるジスル・シュグール市近郊のズィヤーディーヤ村で車に対して地対地ミサイルで攻撃を行い、子供2人が負傷した。

シリア軍はさらに、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、バーラ村一帯を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月2日付)によると、トルコ軍は、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路沿線各所に監視カメラの設置を開始した。

監視カメラの設置は、沿線一帯のトルコ軍拠点への攻撃を監視するためだという。

このほか、ジスル・シュグール市では車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にある13カ村で、体制打倒や「シリア革命」支持を訴える落書きが発見された。

落書きが発見されたのは、ダーイル町、フラーク市、ブスラー・シャーム市、ナーフタ町、東カラク村、ジーザ町、カフル・ナースィジュ村、ナワー市、ラジャート高原、イーブ村、インヒル市、ムライハト・アタシュ村、サフム・ジャウラーン村、マターイヤ村。

また、シリア政府支配下のサナマイン市では、軍事情報局に協力していた男性1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(イドリブ県6件、ラタキア県11件、アレッポ県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は15件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を6件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, February 2, 2021、ANHA, February 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 2, 2021、Reuters, February 2, 2021、SANA, February 2, 2021、SOHR, February 2, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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