シリア軍筋は、2月28日午後10時16分、イスラエル軍が占領下のゴラン高原から首都ダマスカス周辺の複数カ所に対してミサイル複数発を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃、ほとんどを撃破したと発表した。
これに関して、外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を送り、イスラエル軍のミサイル攻撃について報告、繰り返される侵害行為を抑止するための断固たる措置を講じるよう要請した。
SANA(3月1日付)が伝えた。
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シリア人権監視団によると、ミサイル攻撃を受けたのは、イラン・イスラーム革命防衛隊とレバノンのヒズブッラーの拠点とされるダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町一帯。
死傷者数は不明。
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一方、イスラエル公共放送協会(KAN)は、この攻撃に関して、「ダマスカスに対するイスラエルの攻撃は、イランの手によって船舶が爆破されたことへの報復で…、攻撃された標的はイランのものだ…。船舶を標的としたことに対するイスラエルの報復への逃げ場はない」と伝えた。
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「船舶の爆破」とは、2月25日にシンガポールに向ってオマーン湾を航行していたイスラエル籍の貨物船MVヘリオス・レイ(MV Helios Ray)内で、2度にわたって発生し、UAEのドバイのラーシド港に緊急入港した爆発事件のこと。
この事件に関して、イスラエルのベニ・ガンツ国防大臣は2月27日、状況を調査した結果、UAEのドゥバイに向かっていたイスラエル籍船舶で発生した爆発の責任がイランにあることが初動調査から判明したと述べていた。
また、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相も3月1日、「これがイランの仕業だということは明白だ」としたうえで、報復すると述べた。
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なお、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(3月11日付)は、米国及び中東諸国の複数の高官の話として、2019年末以降、イスラエルが攻撃したシリアに石油、鉱物資源、武器などを搬送するイラン籍船舶が12隻に達していると伝えた。
12隻はいずれも沈没は免れたが、2隻はイランへの帰還を余儀なくされたという。
AFP, March 1, 2021、ANHA, March 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, March 1, 2021、KAN, April 28, 2021、Reuters, March 1, 2021、SANA, March 1, 2021、SOHR, March 1, 2021、The Wall Street Journal, March 11, 2021などをもとに作成。
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