レバノン日刊紙『ナハール』(4月6日付)は、トルコの諜報機関が、シリア国民軍の複数の司令部に対して、ロシア・ウクライナ情勢の今後の進展に備えて、戦闘員の教練とウクライナへの派遣をはじめとする準備を行うよう指示したと伝えた。
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トルコ当局は2月に、理由を告げずにシリア国民軍戦闘員への給与支払いを一方的に停止していたが、この指示に先立って、戦闘員への月額550ドルとなる給与の支払いを再開していた。
給与支払い停止は、シリア国民軍に所属する武装集団やそのメンバーによる犯罪行為が後を絶たないことへの制裁と考えられているが、ロシア・ウクライナ情勢の行方を睨んで、こうした措置の継続を猶予したと解釈できるという。
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シリア国民軍所属組織に近い消息筋から得た情報によると、トルコからの指示は、トルコへの忠誠心が強い一部武装組織の司令官らに対して行われ、これを受け、トルコの司令に応えるための準備が加速、ウクライナ行きを希望する戦闘員の氏名を登録する極秘の登録センターが設置されたという。
極秘任務という性格上、登録はシリア国民軍の特殊部隊の隊員に限定されているという。
ウクライナとトルコ当局を仲介しているという複数の人物らの情報によると、ウクライナに派遣される戦闘員には4,000米ドルが支給され、ロシア軍との戦闘の可能性もある国境地帯に展開するという。
有事に備えて、7,000人の戦闘員を派遣するための準備が進められているという。
AFP, April 6, 2021、ANHA, April 6, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 6, 2021、al-Nahar, April 6, 2021、Reuters, April 6, 2021、SANA, April 6, 2021、SOHR, April 6, 2021などをもとに作成。
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