SANA(4月22日付)は、イスラエル軍が午前1時38分頃、占領下のゴラン高原上空から首都ダマスカス一帯に向けてミサイル多数を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、そのほとんどを撃破したと伝えた。
SANAが攻撃を最初に報じたのは現地時間の午前2時30分頃。
イスラエル軍のミサイル攻撃で、シリア軍兵士4人が負傷したという。
これを受けて、外務在外居住者省は声明を出し、イスラエル軍の攻撃に関して、1974年の兵力引き離し協定への違反と非難、国連に対して攻撃を非難するよう求めるとともに、イスラエル、米国、そしてトルコによる占領とこれらの国によるシリアへの攻撃を黙認することは、シリア国内でのテロ行為に荷担することに等しいと警鐘を鳴らした。
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イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、シリアから発射された地対空ミサイル1発がイスラエル領空に飛来し、南部のディモナ市南東にあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センターの近くで大音量の爆発が複数回発生したと発表した。
アドライ報道官は現地時間の午前2時50分頃、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で以下の通り発表した。
速報。防空部隊は、シリアからイスラエル領内に向けて地対空ミサイル1発が発射され、ネゲブ地方に着弾したことを捕捉した。これに対して、我が部隊は、シリアからミサイルを発射した防空ミサイル発射台、さらにはシリア領内の地対空ミサイル発射台複数機を攻撃した。
シリアから発射された地対空ミサイル1発が、目標を反れて、イスラエルに向かって落下し、イスラエル国内の特定の地域を狙ったものではないという話が出ている。これに対して、我が部隊は、シリアからミサイルを発射した発射台、さらにはシリア領内の地対空ミサイル発射台を砲撃した。
アドライ報道官はその後、ツイッターで以下の通り発表した。
イスラエル領内に向かって落下するシリアのミサイルに対して迎撃ミサイル1発が実際に発射されたということを明らかにしたい。今のところ、迎撃が成功したかは明らかになっていない。詳細は調査中である。
シリアからイスラエルへの地対空ミサイルの発射についての一次調査によると、同ミサイルは迎撃されなかったことが明らかとなっている。
なお、アドライ報道官によると、この爆発による人的、物的被害は確認されていないという。
この発表に先立ち、イスラエル軍はアブクレナ村一帯に攻撃警報のサイレンを鳴らしていた。
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ロイター通信(4月22日付)がイスラエル軍報道官の話として伝えたところによると、着弾したミサイルはS-200(SA-5)。
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シリア人権監視団によると、イスラエル軍の攻撃は、ダマスカス郊外県のドゥマイル市に設置されている防空基地などに及び、シリア軍士官(中尉)1人が死亡、3人が重傷を負った。
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ドゥラル・シャーミーヤ(4月22日付)は、占領下パレスチナ南部にあるディモナ市の原子力研究施設の近くにミサイルが着弾したことへの対抗措置として、イスラエル占領軍は未明に、首都ダマスカス一帯のアサド軍の拠点複数カ所を狙ったと伝えた。
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アラビー・ジャディード(4月22日付)はシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センターへの地対空ミサイル着弾に関して、複数の専門家の意見として、イランがミサイル発射の背後にいるとしたうえで、ナタンズの原子力開発施設へのイスラエルの攻撃への報復で、イランはシリアをイスラエルへの「郵便箱」として利用した、と伝えた。
イランの原子力当局は4月11日、ナタンズの原子力開発施設が「破壊工作」にあっていると発表した。
これに対して、イスラエル公共放送のIBA(4月12日付)は情報機関筋の話として、イスラエルによるサイバー攻撃の結果だと報じた。
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ロイター通信(4月22日付)は、西側の諜報機関高官やシリア軍筋の話として、イラン関連の施設を標的としたイスラエル軍の攻撃が頻発化していることに関して、一部の武器・ミサイル製造用の複合施設が深さ10キロの地下にあるため、イスラエル軍が保有するバンガー・バスターでも完全に破壊することができないと伝えた。
AFP, April 22, 2021、ANHA, April 22, 2021、al-‘Arabi al-Jadid, April 22, 2021、BBC, April 12, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 22, 2021、IBA, April 12, 2021, Reuters, April 22, 2021、SANA, April 22, 2021、SOHR, April 22, 2021などをもとに作成。
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