ヒムス県では、アブー・ハーリスを名乗る活動家がAFP(5月5日付)に対し、ヒムス市旧市街の「停戦合意」に関して、「革命家と政府の代表団がイランの外交官同席のもと、ヒムス市からの戦闘員退去に関する合意に署名した…。合意はなされた。あとは実効だけ」と述べた。
AFP(5月5日付)がシリア革命反体制勢力国民連立筋から得た合意文書によると、「停戦合意」は、①約2,250人の反体制武装集団戦闘員全員のヒムス市旧市街からヒムス県北部への退去、②退去に際して、家族の同伴、「個人の武器と旅行カバンの携帯」の許可とシリア警察パトロール部隊の同行、③シリア赤新月者による反体制武装集団の負傷者の搬送、④国連スタッフおよびイラン人仲介人の移動バスへの同乗、④イスラーム戦線、イラン人、レバノン人捕虜約70人の釈放、⑤イスラーム戦線による捕虜釈放とアレッポ県ヌッブル市、ザフラー町(シリア政府支配地域)への人道支援物資搬入をもって本合意の実効を開始、の5点からなるという。
なおこの「停戦合意」の適用から除外されたヒムス市ワアル地区での停戦についても協議が継続されているという。
一方、SANA(5月4日付)によると、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ウカイリバート町、ハーヌータ村、西サラーム村、カフルラーハー市、タルビーサ市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、SANA(5月4日付)によると、アクラブ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ブライジュ村からアレッポ中央刑務所方面に移動中の軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。
またハンダラート・キャンプ、キンディー大学病院周辺、ウワイジャ地区、アレッポ市ハナーヌー地区、ハイダリーヤ交差点地区、ライラムーン地区などが、軍の砲撃、空爆を受けた。
一方、SANA(5月4日付)によると、アレッポ市ラームーサ地区、アーミリーヤ地区、ジャンドゥール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、バニー・ザイド地区、ライラムーン地区、カースティールー地区、シャイフ・サイード地区、カフルダーイル村、シャイフ・ナッジャール市工業団地地区、アレッポ中央刑務所周辺、クワイリス村、ジュダイダ村、ラスム・アッブード村、フライターン市、ムスリミーヤ村、ハーン・アサル村、マーリア市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
他方、ARA News(5月4日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアイン・アラブ市郊外の要衝の丘陵地タッラト・タイヤーラ(通称「サイフィー」)を、民主統一党人民防衛隊との戦闘の末に制圧した。
これを受けて、シリア・クルド国民評議会(コバネ)は声明を出し、ダーイシュの攻撃を批判、「テロ集団」の攻撃に立ち向かうよう住民らに呼びかけた。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員がムライハ市の大部分を制圧した。
また、クッルナー・シュラカー(5月4日付)によると、ドゥーマー市一帯で活動してきたジハード主義武装集団の前戦司令官のアドナーン・ハビーヤ氏(アブー・アンマール)が、市内を車で移動中に何者かに撃たれ、暗殺された。
一方、SANA(5月4日付)によると、軍がムライハ市への進軍を続け、イスラーム軍、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の外国人戦闘員30人以上を殲滅した。
またハラスター市警察病院、アーリヤ農場、アドラー市旧市街、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム軍の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(5月4日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がタッル・ブラーク町近郊にあるスィーハ村にあるスーフィー教団のシャイフの一人ムーサー・フサイニーの廟を爆破、破壊した。
また、ARA News(5月6日付)によると、マアバダ(カルキールキー)村にあるシリア・クルド国民評議会の事務所が何者かに襲撃された。
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ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(5月4日付)によると、ダルアー市ガルズ地区を通るガス・パイプライン(ヨルダンとシリアを結ぶ)で火災が発生した。
一方、SANA(5月4日付)によると、フマイン村南部、ナワー市、タッル・アシュタル・ティーラ間、インヒル市、インヒル市・ジャースィム市街道、ヤードゥーダ・アトマーン街道、ムハッジャ村、ナッサーフ村、ダルアー市各所(旧税関地区、キルク地区など)で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(5月4日付)によると、ビンニシュ市、バザーブール村、カフルラーター村、アブー・ズフール航空基地周辺、タッル・サラムー村南部、カルア・ガザール村、フータ村、ジダール・ビカフルーン村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ラッカ県では、ARA News(5月5日付)によると、タッル・アブヤド市西部のジャブラ村で、民主統一党人民防衛隊とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が交戦した。
AFP, May 4, 2014、AP, May 4, 2014、ARA News, May 4, 2014、May 5, 2014、May 6, 2014、Champress, May 4, 2014、al-Hayat, May 5, 2014、Iraqinews.com, May 4, 2014、Kull-na Shuraka’, May 4, 2014、Naharnet, May 4, 2014、NNA, May 4, 2014、Reuters, May 4, 2014、SANA, May 4, 2014、UPI, May 4, 2014などをもとに作成。
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