「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるラタキア県サルマー町各所などを砲撃(2021年6月14日)

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるサルマー町各所を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるサラーキブ市などM5高速道路沿線一帯各所を砲撃した。

シリア軍も、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のマルイヤーン村、シャンナーン村、バーラ村、ファッティーラ村、スフーフン村、フライフィル村、バイニーン村、カンスフラ村、ナージヤ村を砲撃し、マルイヤーン村では一家3人(女性1人、子供2人)が負傷した。

一方、シャーム解放機構の治安部隊がフーア市の民家複数棟に突入し、新興のアル=カーイダ系組織の一つフッラース・ディーン機構のメンバー4人を逮捕した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるガーブ平原のジューリーン村基地を砲撃した。

シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるクライディーン村を砲撃した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍による6月12日のタッル・リフアト市一帯に対する砲撃で重傷を負っていたシリア軍兵士1人が死亡した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を34件(イドリブ県20件、ラタキア県7件、アレッポ県0件、ハマー県7件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は31件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を26件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, June 14, 2021、ANHA, June 14, 2021、al-Durar al-Shamiya, June 14, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 14, 2021、Reuters, June 14, 2021、SANA, June 14, 2021、SOHR, June 14, 2021, June 15, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

SyriaArabSpring

Recent Posts