ダルアー県でシリア軍と武装解除を拒否して蜂起した元反体制武装集団が停戦に向けて協議を続けるなか、ヨルダンなジャービル国境通行所の閉鎖を決定(2021年7月31日)

ダルアー県では、HFL(7月31日付)などによると、シリア軍が早朝、ダルアー市のダルアー・バラド地区、ダム街道地区を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、武装解除を拒否して蜂起した元反体制武装集団メンバーを代表するハウラーン中央委員会とシリア軍の代表がロシアの仲介によりダルアー市の国立競技場で停戦について協議した。

アラビーヤ・チャンネル(8月1日付)などによると、ロシアのヴラジーミル・プーチン大統領の特使で、シリア国内で紛争当事者どうしの停戦・和解交渉を仲介し、「困難な任務の男」の異名で知られるアレクサンドル・ゾリン氏が、ラタキア県のフマイミーム航空基地からダルアー県に秘密裏に派遣され、交渉の仲介を開始した。

シリア人権監視団によると、協議された停戦合意案は、①元反体制武装集団メンバーが捕捉したシリア軍兵士を解放する、②ロシアが支援するシリア軍第5軍団第8旅団(アフマド・アウダ指揮)にシリア軍(第4師団、空軍情報部、軍事情報局など)の拠点を移譲する、③政府側が指名手配する132人をシリア北部に退去させる、ことを骨子としているという。

また、停戦協議の進展を受けて、元反体制武装集団メンバーが戦闘で捕捉していたシリア軍第4師団の兵士5人(うち士官1人)を解放した。

元反体制武装集団メンバーは7月30日にも、戦闘で捕捉していたシリア軍第4師団の兵士24人を解放している。

HFL(8月1日付)によると、シリア軍の代表は1日早朝までに反体制武装集団メンバー側から回答がない場合、ダルアー市ダルアー・バラド地区などに対する攻撃を継続するとして、ハウラーン中央委員会に合意案を受け入れるための期限を切り、圧力をかけているという。

なお、7月29日以降の戦闘での死者は32人(うち住民12人、元反体制武装集団メンバー11人、シリア軍9人。

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ヨルダン通信(7月31日付)は、ヨルダン内務省高官の話として、当局がダルアー県のナスィーブ国境通行所に面するジャービル国境通行所を一時閉鎖することを決定したと伝えた。

この高官によると、「閉鎖措置はシリア側の治安状況の進展を受けたもの」だという。

AFP, July 31, 2021、Alarabia, August 1, 2021、ANHA, July 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, July 31, 2021、HFL, July 31, 2021、August 1, 2021、Reuters, July 31, 2021、SANA, July 31, 2021、SOHR, July 31, 2021などをもとに作成。

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