人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会のリヤード・ダッラール共同議長は、アサド大統領が8月14日の第3次フサイン・アルヌース内閣の第1回閣議で分権制について言及したことについて、「分権制には深遠な措置が求められる」と述べ、現政権下での分権化の実現に消極的な見方を示した。
ダッラール共同議長の主な発言は以下の通り:
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シリアの問題は経済問題ではなく、社会のニーズだ。大統領の決定ではなく、中央が日々の生活や政治信念を動かすことを阻止するような民主主義に向けた行動だ。
分権制には、地域の住民を代表し、彼らが自らの代表を選ぶ際に、深遠な措置が求められる。中央政府は、国の統合を確実する主権にかかわる省に限定され…、行政サービスにかかる省は、地域の責任、その活動の一部とされるべきだ。
我々は、アサド大統領が行った演説を受けて権限がどのように配分されるのかを注視している…。我々の行政の名前は重要ではない。名前は地方自治体でも、自治政体でもいい。重要なのは、地元議会が…県知事によって管理されず、地方行政省に従属しないということだ。だが、こうしたは、政令第107号(改正地方自治法)の施行後、県知事と(地方行政)大臣がとにかく中央集権的な統治を行うようになったことで実際に起こっている。
地元議会が地域の住民から構成され、地域の住民自身によってその首長が選ばれれば、地域の住民は、直接民主主義やアカウンタビリティの概念を通じて、首長や議会に責任を与えることができるようになる…。こうしたことは、その地方の政治勢力の競争に委ねられ、行政が多様性を持つようにされねばならず、一つの政党、あるいは一つのグループに権利が委ねられてはならない。そして、こうした状態がシリアのすべての地域に適用されねばならない。
政令第107号の目的は正しい。我々はそこから民主的分権制の概念を取り入れ、現在北・東シリア自治局において適用している…。この法律の目的は、権力、責任を分散させ、それらを人民諸集団の手に集中させることになる。これは、人民をすべての権力の源泉とする民主主義の原則を適用することであり、各行政区の議会の権力や権限を拡大し、明確且つ重複しないかたちで確定することを通じて行われる。これにより、各議会は、経済、社会、文化、文明といった面で自らの行政区を発展させる機能や任務を遂行できるようになる。
行政法第107号の目的は至極正しい。だが、実施しようとすると、その目的が失われていってしまう。なぜなら、法律を実施しようとする者たちが分権制を、名前、形式、宣言、スローガンとしてしか望んでいないからだ。実際には、治安機関の権益が生活の節々にまで浸透してしまっている。これこそ中央集権の極みだ。なぜなら、中央の権威が縁故主義や汚職に体現されているからだ。
AFP, August 16, 2021、ANHA, August 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, August 16, 2021、Reuters, August 16, 2021、SANA, August 16, 2021、SOHR, August 16, 2021などをもとに作成。
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