大統領選挙をめぐる動き(2014年5月20日)

シリア北東部で自治を推し進める西クルディスタン移行期民政局執行評議会ジャズィーラ地区、コバネ、アフリーン地区の三つの自治政府は共同声明を出し、6月3日に投票が行われる大統領選挙に関して、国内での暴力停止を優先すべきだとの意思を表明、その実施に消極的な姿勢を示した。

Kull-na Shuraka’, May 20, 2014

民主統一党が主導する三つの自治政府は声明で、選挙が「危機長期化とシリア人どうしの日々の殺戮の増加、飢餓をもたらし、単一の民主的多元主義のもとでの共生という国民の希望を実現することを妨げる」と批判した。

そのうえで、「国の歴史におけるこの困難な段階での大統領選挙は、賢く正しい決定ではない。すべてのシリア人は流血停止に貢献せねばならず、そのうえで国の未来にふさわしい総意に基づく解決策へと至らねばならない。そしてその後に、我々は大統領選挙について話すことができ、そのなかですべての当事者が立候補であれ、投票であれ自らの権利を行使するべきだ」と主張した。

しかし、クッルナー・シュラカー(5月20日付)によると、西クルディスタン移行期民政局は「自治区」での大統領選挙の選挙運動や支持デモ・集会を黙認している、という。

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SANA(5月20日付)によると、ダマスカス県(アルヌース地区、高等教育省、ムハージリーン区)、ダマスカス郊外県ジュダイダト・アルトゥーズ町、ラウダ町、ダルアー市、ハサカ市、アレッポ市、ヒムス市、ヒムス市フワーリーン村、カルヤタイン市、マンズール村、ハムラー地区ト村、タドムル市、タルトゥース市、ラタキア市、ラタキア県ジャブラ市、ハマー市、イドリブ市で、大統領選挙実施と軍による「テロとの戦い」を支持するデモ、集会が開かれ、バアス党地方幹部、人民諸組織、職業諸組合、市民らが参加、アサド大統領への支持を表明した。

AFP, May 20, 2014、AP, May 20, 2014、ARA News, May 20, 2014、Champress, May 20, 2014、al-Hayat, May 21, 2014、Kull-na Shuraka’, May 20, 2014、al-Mada Press, May 20, 2014、Naharnet, May 20, 2014、NNA, May 20, 2014、Reuters, May 20, 2014、SANA, May 20, 2014、UPI, May 20, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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