カザフスタンの首都ヌルスルタン(旧アスタナ)で12月21日に開幕したアスタナ17会議は2日間の議事を終え、保証国であるロシア、トルコ、イランが共同声明を発表して閉幕した。
声明のなかで三カ国は、無垢の民間人や民間施設を狙ったテロ行為を非難、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線(現シャーム解放機構)などアル=カーイダとつながりがあるすべての個人、組織の根絶をめざすことを改めて確認した。
緊張緩和地帯の処遇については、これまでの合意を完全施行する必要が強調され、また、米国の後ろ盾を受ける北・東シリア自治局が支配する北東部の情勢については、シリアの主権、領土保全の維持なくしては安定と安全は実現しないと指摘、「テロとの戦い」を口実とした原状の変更と石油盗奪を拒否、米国を暗に非難した。
そのうえで、シリアの危機の解決に関しては、軍事的な解決を拒否し、国連安保理決議第2254号に従った政治解決をめざすことを確認、制憲委員会の議事、人道支援、難民・国内避難民(IDPs)帰還を促進すること、西側諸国による一方的制裁を拒否すると強調した。
また、イスラエルによる度重なる侵犯行為についても非難を表明した。
SANA(12月22日付)が伝えた。
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会談後、シリア政府代表団の代表を務めるアイマン・スーサーン外務在居住者大臣は記者会見を開き、米国、トルコによる領土占領が危機を長引かせる主因だと非難した。
SANA(12月22日付)などが伝えた。
ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使も記者会見を開き、シリア国内で活動を続けるテロ組織を根絶する必要を強調した。
SANA(12月22日付)などが伝えた。
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一方、イランのアリー・アスガル・ハージー外務大臣補は、2022年2月から3月にかけて、首都テヘランでシリア情勢への対応を協議するための首脳会談を開催する予定であることを明らかにした。
SANA(12月22日付)などが伝えた。
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反体制派(シリア軍事革命諸勢力代表団)代表団の1人ヤースィル・アブドゥッラヒーム離反大佐は、イナブ・バラディー(12月22日付)に対して「我々が参加したのは、現場における我々のプレゼンスを支え、解放区の市民の苦悩をできる限り軽減するためだ」としたうえで、すべての逮捕者の釈放、人道支援、難民・国内避難民(IDPs)の自発的帰還を改めて強調した。
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『エルサレム・ポスト』(12月22日付)は、アスタナ17会議の閉幕声明に関して、ロシアとトルコが、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に対して、シリア政府との交渉を続け、分離主義的な野望を断念するよう圧力をかける内容だと伝えた。
AFP, December 22, 2021、ANHA, December 22, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2021、‘Inab Baladi, December 22, 2021、The Jerusalem Post, December 22, 2021、Reuters, December 22, 2021、SANA, December 22, 2021、SOHR, December 22, 2021などをもとに作成。
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