ハサカ県では、ANHA(1月21日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同支配するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)、ユーフラテス大学経済学部一帯、北・東シリア自治局ハサカ地区の首府があるズフール地区で1月20日夜から21日朝にかけて、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のテロ撲滅部隊(YAT)と米主導の有志連合が、20日の刑務所襲撃事件を実行したダーイシュ(イスラーム国)・メンバーと脱獄者を追跡、激しく交戦した。
この戦闘で、シリア民主軍は逃亡を試みたダーイシュ・メンバー5人を殺害、脱獄者89人を拘束、市内各所で掃討作戦を実施した。
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シリア民主軍の広報センターによると、ダーイシュ・メンバーらはズフール地区などで民家に立て籠もり、シリア民主軍に向けて発砲、住民を人間の盾として逃走を試みたという。
その際、ダーイシュ・メンバーを匿うことを拒否し、抵抗した住民に対して無差別に発砲し、2人を殺害、8人を負傷させた。
シリア民主軍広報センターによると、立て籠もったダーイシュ・メンバーらはまた、シリア民主軍に投降しようとした仲間に対しても発砲し、7人を殺害した。
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内務治安部隊(アサーイシュ)の総司令部が発表した声明によると、この戦闘でアサーイシュの隊員1人が死亡、7人が負傷、住民3人がダーイシュ・メンバーによって殺害された。
一方、戦闘を取材していたANHAのバースィル・ラシード記者が胸部と腹部に銃弾2発を浴び、病院に搬送された。
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シリア人権監視団によると、一連の戦闘でダーイシュ・メンバー39人、住民5人、シリア民主軍、アサーイシュ、刑務所守衛ら23人が死亡した。
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ANHAによると、米主導の有志連合もシリア民主軍とアサーイシュを支援し、戦闘機複数機でダーイシュ・メンバーらが立て籠もったユーフラテス大学経済学部内の技術監督者工学技術研究所に対して爆撃を行った。
シリア人権監視団によると、有志連合(米軍)の戦闘機はこのほかにも、ズフール地区とグワイラーン刑務所近くに対して2回の爆撃を実施した。
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一連の戦闘を受けて、ANHAやSANA(1月21日付)によると、シリア民主軍と、イスラーム国の襲撃事件実行犯・脱獄者との戦闘を避けるため、住民298世帯以上がズフール地区から市内の安全な場所に避難した。
また、アサーイシュの総司令部は声明を出し、市内に外出禁止令を発出し、住民に外出を控えるよう呼び掛けた。
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その後、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/mazloumabdi)を通じて、事態収拾に成功したと発表した。
また、北・東シリア自治局防衛委員会(防衛省に相当)のザイダーン・アースィー共同委員長も声明を出し、事態収拾を完了したと発表した。
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シリア人権監視団によると、約3,500人が収監されている。
AFP, January 21, 2022、ANHA, January 21, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 21, 2022、Reuters, January 21, 2022、SANA, January 21, 2022、SOHR, January 21, 2022などをもとに作成。
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