スプートニク・ニュース(1月23日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)の司令官らがトルコで数億ドルの投資を行い、利益を得ていると伝えた。
イドリブ県の情勢に詳しい複数の消息筋がスプートニク・ニュースに明らかにしたところによると、折からの寒波と大雪によって深刻な生活を強いられている国内避難民(IDPs)キャンプの住民らは、キャンプの住民への国際機関による越境(クロスボーダー)人道支援物資の到着や配給の仕組みの信頼性について疑義を呈している。
国境地帯やキャンプを含むイドリブ県のほぼ全域を掌握し、テロリストに指定されているシャーム解放機構のメンバーが支援事業を統轄しているのが理由。
同消息筋によると、シャーム解放機構の司令官らは、自分たちの資金を、シャンルウルファ、ガジアンテップ、イスタンブールといったトルコの都市の不動産業、自動車業、レストラン業、商業といった事業に投資するようになっているという。
投資額はこの4年だけで2億5000万ドルに達しており、同消息筋は「これらの資金の出所はどこなのか」との疑問を抱いている。
同消息筋はこう述べている。
シャーム解放機構の司令部に所属する治安局がバーブ・ハワー国境通行所を完全に掌握していることを皆が知っている。この通行所は、国連の越境人道機関が回廊として利用し、支援物資を国境地帯のキャンプやイドリブ県各地に運んでいる…。
また、これらの支援のほとんどが盗まれ、シャーム解放機構がトルコ国境に面するサルマダー市、アティマ村、ダルクーシュ町に設置した貯蔵庫に転売されていることも皆が知っている。それは皆が知っているビック・ビジネスのようなもので、商人らは盗まれた人道支援物資を売りさばき、これらの都市の市場では、薬、食糧、医薬品が売られている。仲介業者を通じてトルコの市場に再び密輸されることも多い。
過去数年にわたり、シャーム解放機構は、架空の人道支援受益者のリストを作り上げ、各世帯に割り当てられる支援を減少させた。加えて、要支援者に物資が配給される前に支援物資を横取りし、それらはシャーム解放機構の司令官やトルコの慈善団体関係者に分配されている。
シャーム解放機構の司令官らは、国境地帯の居住ブロックの建設プロジェクトに参入し、事業者と結託し、多額な資金の一部を受給するケースもある。
イドリブ県では、国際機関、支援国も含む皆が、テロ組織に指定されているシャーム解放機構の幹部司令官多数が、こうした行為を1から10まで管理している。
AFP, January 24, 2022、ANHA, January 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 24, 2022、Reuters, January 24, 2022、SANA, January 24, 2022、SOHR, January 24, 2022、Sputnik News, January 23, 2022などをもとに作成。
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