シャーム解放機構が米軍によるイスラーム国指導者殺害作戦を事前に察知していなかったと発表(2022年2月7日)

ウェブサイト「スーリーヤ・ネット」が報じたところによると、シリア北西部で影響力をもつ「シャーム解放機構」は、米軍が3日前にイドリブ県で実施したイスラーム国指導者アブー・イブラーヒーム・クラシー殺害作戦についていかなる事前情報を得ていなかった。

シャーム解放機構が2月7日付で発表した声明によると、同組織はイドリブ県アティマ村近郊で米軍による作戦が実施される以前、当該地域の住民らと同様に、それについて全く察知していなかったという。

さらに同組織は「我々は作戦を拒否し、反対を表明する」として米軍の決定を非難しつつ、「我々は、いかなる目的であれ国家機構が解放区を利用することを許さない。我々は引き続き、彼らの悪と犯罪を駆逐し続ける」と忠告した。

また「我々がみなに想起したいのは、地元当局がこの地域の治安に対する責任に基づいて、犯罪体制に対する軍事的防衛の義務を果たし、解放区の安全と安定を無に帰そうとするあらゆる勢力から身を守っているということだ」と述べ、自組織の安全保障に関する役割を強調した。

声明の内容(全文)は以下の通り

アッラーに讃えあれ、万世の主よ。我らの預言者ムハンマド(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)と彼の家族、彼の全ての愛する人々、その他の人々に平安の挨拶を。

2022年2月2日から3日(木曜日)にかけての夜、同じくヒジュラ歴1443年ラジャブ月2日に、米国の特殊部隊が国境県内の居住用建造物を標的とした降下作戦を実施し、これにより女性3人と子供5人が死亡した。その後、国家機構(イスラーム国)の指導者アブー・イブラーヒーム・クラシーの殺害が発表された。これらの出来事に対し、我々は以下を明確にしたい。

  1. 今次の空挺作戦は、民間人の女性や子供の犠牲者を出し、シリア人にとって新たな懸念となった。犯罪者体制とその悪党の圧制を逃れてきた避難民のなかに恐怖を生み出した。国境地帯は、数千世帯が集まり、避難生活を送る人道避難所となっており、シリア領内の最後のよりどころだとみなされている。
  2. シリア国民に対する真のテロとは犯罪体制、イランの民兵にある。彼らを排除することで、あらゆるかたちのテロとその派生物が根絶される。この概念は、特定の最終目標を実現するために還元したり、選択的な利益のために利用することはできない。
  3. 我々がみなに想起したいのは、地元当局がこの地域の治安に対する責任に基づいて、犯罪体制に対する軍事的防衛の義務を果たし、解放区の安全と安定を無に帰そうとするあらゆる勢力から身を守っているということだ。
  4. 我々はこの作戦が実施されるまで、そのことを承知していなかった。発表されるまで、あの場所に住んでいる者たちの身元もだ。我々はこの作戦を拒否し、反対を表明する。また、我々は、いかなる目的であれ国家機構(イスラーム国)が解放区を利用することを許さない。我々は引き続き、彼らの悪と犯罪を駆逐し続ける。「信仰する者よ、もし邪な者が情報をあなたがたに齎したならば、慎重に検討しなさい。これはあなたがたが、気付かない中に人びとに危害を及ぼし、その行ったことを後悔することにならないためである」(部屋章6)

最後に、我々はシリア革命が、犯罪体制打倒という目的の実現に向かって道を進んでいると明言する。それは、シリア国民の自由と尊厳の実現に貢献し、避難民や難民が自らの家、祖国に帰還を保障し、バッシャールの手から捕虜のくびきを解き放つ。シリア国民への支援は、アサド一味とその象徴に体現されている真のテロを撲滅を支援することだ。テロの撲滅によって、シリア国民、そして世界のすべての国民に対するあらゆる脅威もなくなる。

Al Souria.net, February 7, 2022、Twitterなどをもとに作成。

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