SANA(2月9日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍が2月9日午前0時56分頃にレバノンの首都ベイルート南東の上空を領空侵犯、首都ダマスカス一帯の複数カ所に空対地ミサイル多数を発射、また同時10分には占領下のゴラン高原から同じく首都ダマスカス一帯の複数カ所に向けて地対地ミサイル多数を発射と伝えた。
これに対して、シリア軍防空部隊が迎撃、ミサイルの一部を撃破したが、攻撃によってシリア軍兵士1人が死亡、5人が負傷、ダマスカス郊外県クドスィーヤー市の住宅や車などが被害を受けた。
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外務在外居住者省は声明を出し、イスラエル軍のミサイル攻撃に関して、ゴラン高原における停戦監視と兵力引き離しを定めた1974年の国連安保理決議第350号など一連の国連決議、国際法への違反だと非難した。
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一方、イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/AvichayAdraee/)を通じて以下の通り、表明した。
昨夜、シリアから地対空ミサイル1発が発射されたことを受け、イスラエル国防軍はシリア領内の以下の標的への攻撃を実施した。レーダー、戦闘機複数機に対してミサイル複数発を発射した対空ミサイル発射台複数基。
国防軍はイスラエル国家の領空と安全保障を防衛し続ける。
シリア砲台複数基から発射されたシリアの対空ミサイル1発は空中で爆発し、迎撃するまでもなかった。これにより、ウムアルファム市、サマリア地区で夜間警報が鳴り響いた。
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シリア人権監視団によると、攻撃は、「イランの民兵」の拠点や武器弾薬庫などがあるとされるダマスカス郊外県の旧ダマスカス・ベイルート街道沿線の複数カ所、バラダー渓谷のジュダイダト・シーバーニー村など。
死亡したのは、シリア軍防空部隊の中尉で、同地のミサイル発射台の一つに配属されていた。
クドスィーヤー市への被害は、シリア軍防空部隊が撃破したミサイルの破片によるものだという。
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ドゥラル・シャーミーヤ(2月9日付)が複数の地元メディアの話として伝えたところによると、標的となったのは、共和国護衛隊大104旅団、空軍情報部第13旅団の拠点複数カ所、ディーマース町近郊のグライダー用飛行場など。
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イスラエル公共放送協会(KAN、2月9日付)は、イスラエル軍戦闘機によるミサイル攻撃時、ラタキア県のフマイミーム航空基地に駐留するロシア軍が、電子戦システムを作動させたと伝えた。
ロシア軍による電子戦システムは、イスラエル軍戦闘機の着陸を妨害するためで、これによって、GPSに誤動作が生じたという。
KANによると、イスラエル軍はロシア軍に対してイスラエル国内の空港に対するレーダー妨害を停止するよう要請したが、ロシア軍は、シリア国内の自国部隊を防衛するために行っているとして、これを拒否したという。
AFP, February 9, 2022、ANHA, February 9, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 9, 2022、KAN, February 9, 2022、Reuters, February 9, 2022、SANA, February 9, 2022、SOHR, February 9, 2022などをもとに作成。
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