シリアの反体制組織の一つであるアッシリア民主機構は声明を出し、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に民兵である人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が支配地(北・東シリア自治局の支配地)の住民の暮らしに脅威を与え、日常生活と安定を阻害していると非難する一方、ダーイシュ(イスラーム国)の脅威が依然として存在していると警鐘を鳴らした。
声明は、2015年2月23日にハサカ県ハーブール川河畔のアッシリア教徒の村々がダーイシュの支配から解放されてから7年が経ったのを記念して出されたもの。
アッシリア民主機構は、ダーイシュによる同地域の支配によって、多くのアッシリア教徒が村を離れて、避難や強制移住を余儀なくされたことが、「人口動態を改変する余地を与えた」と指摘した。
また、ダーイシュを放逐して、同地を支配するようになったシリア民主軍については、「暮らしの様相を軍事化し、軍事的配慮を優先させ、タッル・タムル町や我々の村などジャズィーラ地方のほとんどの都市と町の住宅地にトンネルや堀を建設しており…、民間人の暮らしを脅威に曝し…、国際人権法の原則に反する事態となっている」と非難した。
そのうえで、こうしたトンネルの掘削や民家の強制接収を止めるよう求めるとともに、アッシリア教徒の政党や組織に対して互いの取り組みを一つにして、ハーブール川河畔地域の住民が被る被害や悪影響に対処し、人口動態の改変を食い止めるための責任を果たすよう呼び掛けた。
シャーム・ネットワーク(2月24日付)などが伝えた。
AFP, February 24, 2022、ANHA, February 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, February 24, 2022、Reuters, February 24, 2022、SANA, February 24, 2022、Sham Network, February 24, 2022、SOHR, February 24, 2022などをもとに作成。
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