クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)に近いノース・プレス(2月25日付)は、複数の米国筋の話として、米国のジョー・バイデン政権がシーザー・シリア市民保護法(通称シーザー法)の枠組みのもとでシリアに科している制裁を部分解除することを決心しようとしていると伝えた。
制裁が解除される地域は、北・東シリア自治局の実効支配下にあるシリア北・東部、トルコの占領下にあるシリア北部、北西部。
シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握り、「シリア革命」最後の牙城と目されている北西部のいわゆる「解放区」、そしてシリア政府の支配地域は解除地域から除外されるという。
同米国筋は「シーザー法の制裁は、シリア政府の支配地域に対して継続される。この法律は外国の組織がアサドと取引することをシリア領内のこの地域での建設や復興事業に参加することを禁じている」と述べているという。
シーザー法の制裁が部分解除されれば、北・東シリア自治局の支配地やトルコ占領地は、外国の企業などとの取引が可能となる。
同米国筋はまた「2019年に発動された制裁の目的は、アサドがシリアでの紛争を長引かせることを可能とした資源を利用するの阻止することにある。だから、米国の外交は、アサドと協力関係にない地域をこの制裁から解放する必要があると見ている」と述べている。
そのうえで「アサドの支配を脱している地域でのあらゆる金融取引に対する制裁が解除され、それによって、外国の企業はこの地域で活動できるようになる。その一方、シリア産の石油は、シリア北・東部産も含めて制裁対象となり続ける」と付言した。
AFP, March 3, 2022、ANHA, March 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 3, 2022、Reuters, March 3, 2022、SANA, March 3, 2022、SOHR, March 3, 2022などをもとに作成。
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