アスマー・アフラス大統領夫人は、世界女性デー(3月7日)に合わせて、首都ダマスカスのヒジャーズ駅に特設された「シリア人女性の製品」市場を訪問した。
アスマー夫人は、女性たちが制作したアクセサリーを鑑賞し、女性たちと制作に至った経緯、作り方、仕事を行う上での障害などについて意見を交わした。
アスマー夫人が会場で女性たちに次のように述べた。
あなたたちと今日共にできることを誇りに思います。私たちは、自分たち、そして世界全体にとって困難で厳しい状況に身を置いているのは、ご存知の通りです。この状況は私たちの人間的な生活のあらゆる側面に影響を及ぼしました。あらゆる部門、あらゆる分野がその被害を受けました。なかでも労働部門はもっとも深刻な影響を受けました。私たちは労働部門が、周囲でのどんな揺れ、混乱、変化に対してもどれほど敏感であるかを知っています。周囲が単なる揺れではなく、震災を被って、しかもこの震災がシリアに対する戦争によって始まり、世界全体に広がり、皆に被害をもたらしたとすれば、どうでしょうか。
私たちに意志、そして崇高な不屈の精神が必要で、それによってすべての部門やすべての分野、とりわけ生産部門に確実に及んでいるこの困難な課題のすべてを克服できるとしても、今述べたように、この部門が敏感だから、そうした意志や不屈の精神が必要なのではありません。生産というのは、多くの国、そして社会にとって、常時において自らを発展させることができ、非常時において必要最低限を保つことができる唯一の手段だからなのです。
こうした言葉は一般論できれいごとだと言う人もいるでしょう。しかし、私たちには具体的な何かが必要なのです。具体的な何かを目にしたい時、戦争に苦しみ、シリアで起きた以上の破壊が生じたにもかかわらず、自らを復興し、社会を再興できた他の国の経験に注目し、それを活用しなければなりません。経済が完全に崩壊したにもかかわらず、工場を再稼働させ、国産品を生産し、復興を実現した国の経験や実例があります。
きっと、みなさんの頭のなかにある問いは、私たちがどのように包囲を受けているなかで生産できるのかというものでしょう。答えは次のような自明のものです。生産しなければ、どうして包囲を解除できるのでしょうか。包囲の一部は国外からのもので、基本的な材料が届くのを阻止しています。間違いなく、一部の材料が現在、市場で不足することがあります。しかし、私たちはコストをかけてそれを克服しようとしています。包囲においてもっとも深刻なのは、国内にかかわる部分、すなわち生産が少ないことです。これは我々みなにかかわることです。確かに、これにはあなた方のような生産者、生産者でないみなさん、そして国家の協力が求められるのです。
国の政策は今日、中小規模のプロジェクトを支援、奨励するという点で明白です。それは、一部の人が言うように、戦争や包囲が理由ではなく、こうしたプロジェクトが大多数の国にとっての経済力とみなされているからです。強い大国であっても、弱い国であっても、豊かな国であっても、貧しい国であっても、こうしたプロジェクトは経済全般の基礎をなしており、より多くの雇用機会を創出し、大規模プロジェクトを補完します。さらに、中小規模のプロジェクトを支援するという国策は今日、最優先課題になっていて、昨年施行された法律によって実際に実施され始めました。中小規模プロジェクトへの融資を促すことを専門とする銀行も創設が認められました。この1年で、これらの銀行は5万近いプロジェクト、総額で610シリア・ポンド相当の融資を行いました。もちろん、融資は課題の一つにすぎず、登録、認可といった着工段階、あるいは着工後の段階にあるプロジェクトは別の課題にも直面しています。だから、今日、さまざまな政府系、非政府系の組織からなる専門のグループが、障害を取り除くための提案を行い、あなた方が行っているプロジェクトなどを支援、奨励し、持続、振興、発展を実現させようとしています。私たちはあなた方に非常に多くを期待してきました。
みなさんは、今日行われている展示会の名前は「生産するシリアの女性たち」なのに、私が話のなかで主に生産に焦点を当てていて、女性の役割について言及してなかったことに気づいたかもしれません。
しかし、実際のところ、労働や生産における女性の役割は真新しいことではないのです。20年前から行われていて、大きな影響力を持っています。女性の役割にとって新しく特別なこととは、私たちが現在置かれている状況に結びついてます。戦争を通じて、女性が犠牲者で弱者だというイメージが作り出されるなか、シリアの女性は男性とともに、戦い、抵抗し、生産に従事してきました。また、戦争の影響に抵抗する1人として自らを示すことができあした。戦争のなかで犠牲者となるのではなく、自らを変えていくことができる1人としてです。弱さではなく、強さの象徴として立ち現れたのです。
しかし、この力は無から生じたのではありません。偶然生じたのでもありません。この力は確固たる意志が必要です。そしてこの確固たる意志とは、真の愛国心以外によってはもたらされません。祖国と社会への誠実な帰属という意味での愛国心です。この帰属意識、そして意志こそが、私たちが今日、みなさんの顔に見ているものです。あなた方のプロジェクト、製品のなかに存在するものです。それは、あなた方に力と能力を与え、決定を下し、挑戦に成功することを可能としているものです。あなた方は、時間、財産、物資、自己の能力を、成功した革新的なプロジェクトや投資へと変えることができました。あなた方を祝福します。またシリアがあなた方を祝福しますように。
SANA(3月8日付)が伝えた。
AFP, March 8, 2022、ANHA, March 8, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 8, 2022、Reuters, March 8, 2022、SANA, March 8, 2022、SOHR, March 8, 2022などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.
ロシア当事者和解調整センターの…
ロシア当事者和解調整センターの…
イエメンのアンサール・アッラー…