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ウクライナのイスラーム教ムフティーのイスマギロヴ氏:「ウクライナでロシアと戦うことをコーランは正当とみなしている」(2022年3月11日)

ミドル・イースト・アイ(3月11日付)は、イスラーム法曹界の指導者の1人でウクライナ・ムスリム宗教局ムフティーのサイド・イスマギロヴ氏がフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/said.ismagilov/)に、軍服を着て、キエフの領土防衛隊(予備役)の民兵と居並んでいる写真を公開するなどして、ロシアに対する抵抗を呼び掛けていると伝えた。

ドネツク市出身でタタール系のイスマギロヴ氏は次のように述べているという。

我々は2週間以上にわたり野蛮な戦争状態にある。今日が何曜日、何日かも思い出せない。戦争において、時は一つの連続した流れとなり、終わりがないようだ。
だから、クリミア、ルハンシク、ドネツクといった占領下にある領内で何が起きているかを確認する時間も機会もない。そこで暮らすイスラーム教徒の現況についての情報もない。
ロシアの侵略者どもと戦うため、ウクライナに行きたいか否かを選ぶのはそれぞれのイスラーム教徒だ。
だが、そうした選択をコーランは正当だとしている。
親プーチンのイスラーム教徒指導者はターバンを外して、ごみ捨てに投げ込むがいい。なぜなら、彼らには宗教指導者と呼ぶにふさわしい道徳的権利などないからだ。

このように述べることで、イスマギロヴ氏は、シリア内戦において、反体制派、あるいはダーイシュ(イスラーム国)が合従連衡し、ロシアに対抗したことを踏まえ、ロシアへの抵抗を呼び掛けるウクライナのヴォロディーミル・ゼレンスキー大統領の呼び掛けにイスラーム教徒が応え、少なくともシリアでのロシアの行為への「復讐」を行うことには、宗教的な基礎があると考えているという。

 

 

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一方、ドゥラル・シャーミーヤ(3月13日付)は、イスマギロヴ氏が、シリア国民に対して、ロシアとともにウクライナに対する戦闘に参加しないよう呼び掛けたと伝えた。

イスマギロウ氏は以下の通り述べたという。

シリア国民に対して、ロシアとともにウクライナに対する戦闘に参加しないよう呼び掛ける。
プーチンには2万人近いシリア人傭兵を徴兵する意思があると多くの情報元が確認している。
シリア国民に訴えたい。そうしたことをしないで欲しい。我々と戦うために、我々の国に来ないで欲しい。
シリア国民よ、過った犯罪者の協力者にならないで欲しい。その代わりに、自由と正義を支援する人になって欲しい。我々、ウクライナのイスラーム教徒は、ウクライナ社会と分かつことができない一部をなしている。我々は自分たちの母国を守る。ロシアがこの地を攻撃し、女性や子供を殺害し、我々の家、病院、モスクを破壊した。
他のウクライナ人は自分たちの生活、尊厳、自由、共有財産、祖国を防衛している。だから、あなた方にあなた方に過ち、暴力、不正に与さないよう呼び掛ける。アッラーを恐れ、ウクライナを救済して欲しい。あなた方が理解してくれるようアッラーに呼び掛けている。

AFP, March 12, 2022、ANHA, March 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 12, 2022、Reuters, March 12, 2022、SANA, March 12, 2022、SOHR, March 12, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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