カタールの首都ドーハで、外交・安全保障に関する国際会議ドーハ・フォーラムが開催され、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がオンラインで演説を行った。
AFP(3月26日付)、AP(3月26日付)などによると、ゼレンスキー大統領はオンライン演説のなかで、「ロシアは、核兵器で特定の国だけではなく、地球全体を滅ぼせると豪語している」と批判した。
また「カタールのような責任ある国は、信頼できるかたちで着実に天然資源を輸出できる国であり、これらの国は欧州の安定化に貢献できる…。欧州の未来はあなた方の努力にかかっている…。いかなる国もエネルギーを利用して世界を脅迫することなどできないことをロシアに理解させるため、あなた方にエネルギーを増産するようお願いしたい」と述べた。
ゼレンスキー大統領はさらに、ロシア軍がマリウポリ市に対して行っている破壊を、シリア内戦でのシリア・ロシア軍によるアレッポ市破壊に例えるとともに、ウクライナの農業輸出を「多くの国の安定と国内安全保障の基礎」と位置づけ、戦争によってこれが影響を受ける可能性があると警鐘をならした。
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また、ジョセップ・ボレル欧州連合外務・安全保障政策上級代表も、マリウポリ市の戦況をアレッポ市での戦闘に例えて、「ウクライナのマリウポリ市の苦しみは、「欧州のアレッポ市」のようだ」と述べた。
だが、これに対して、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外務大臣は「アレッポは我々のアレッポだ」と述べて反論した。
ボレル上級代表が「だが、欧州人がアレッポ市を破壊したのではない」と言い返すと、ファイサル外務大臣はさらに「あなた方が破壊したのではない…。だが、効果的であるはずの国際社会の取り組み、大国の取り組みは(マリウポリとアレッポでは)まったく異なっていたと再び反論した。
AFP, March 26, 2022、ANHA, March 26, 2022、AP, March 26, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 26, 2022、Reuters, March 26, 2022、SANA, March 26, 2022、SOHR, March 26, 2022などをもとに作成。
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