北・東シリア自治局支配地の生徒は政府のカリキュラムに沿った授業を受けるため、家庭教師に米ドルで授業料を支払うなか、自治局支配下のラッカ県、ハサカ県の教員が給与引き上げを求めてデモ(2022年3月28日)

シリア人権監視団は、北・東シリア自治局の支配地域にシリア政府のカリキュラム(バカロレア制度)に沿った高等教育を行う学校や専門学校がないなかで、多くの生徒が家庭教師に米ドルで授業料を支払い、教育を得ることを余儀なくされていると発表した。

家庭教師のもとで、シリア政府のカリキュラムのすべての授業を受けているという生徒(S.M.)は、1科目あたり1,000~1,500ドルを支払っていることを明らかにした。

この生徒によると、例えば、数学の授業には、7人の生徒が登録しており、教師に対して各生徒が1年で1,300ドルを支払っているという。

また、物理、化学、自然科学の授業料はそれぞれ1,500ドル、国語(アラビア語)は1,000ドルだという。

また、授業料を払うことができない家庭では、生徒はYouTubeにアップされている学習プログラムで学んでいるという。

 

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にある県西部のカフターニーヤ農場一帯地域の教員が、給与引き上げを求めてデモを開始した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるアリーシャ町の教員が、給与引き上げを求めてデモを開始した。

AFP, March 28, 2022、ANHA, March 28, 2022、al-Durar al-Shamiya, March 28, 2022、Reuters, March 28, 2022、SANA, March 28, 2022、SOHR, March 28, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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