トルコ軍とシリア国民軍がハサカ県北部などを激しく砲撃する一方、トルコ占領下のアレッポ県ジャラーブルス市が砲撃を受ける、シリア民主軍は関与を否定(2022年4月18日)

ハサカ県では、ANHA(4月18日付)、SANA(4月18日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町と近郊のアサディーヤ村、ハドラーウィー村、ダーダー・アブダール村、ルバイアート村、ヒルバト・シャイール村、タッル・タムル町近郊のタッル・シャンナーン村、ダルダーラ村、ウンム・カイフ村を砲撃した。

砲撃は、ロシア軍がタッル・タムル町近郊に設置している基地周辺にも及んだ。



シリア人権監視団によると、砲撃を受け、多数の住民が避難を余儀なくされた。

一方、アナトリア通信(4月18日付)は、国家諜報機構(MİT)が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるダルバースィーヤ市近郊で、治安作戦を実施し、人民防衛隊(YPG)の幹部1人を暗殺したと伝えた。

暗殺されたのは、ムハンマド・アイディーン(コードネーム「ロジュファーン・ファーン」)。

2013年にトルコのハタイ県デルチオール郡で発生した住民拉致事件などへの関与が疑われていたという。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるジャラーブルス市のユーフラテス川河畔が砲撃を受け、シリア国民軍の戦闘員1人が死亡、ホワイト・ヘルメットのメンバー1人が負傷した。

砲撃は、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配地から発射された。

これに関して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の広報センターは声明を出し、砲撃への関与を否定した。

一方、ANHA(4月18日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のシャワーリガ村、シャワーリガ砦、バイナ村を砲撃した。

このほか、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるバーブ市近郊のカッバースィーン村で、トルコの資金援助を受けるトルコマン系住民の「カッラ・カージー末裔」機構の代表の車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、代表が死亡した。

また、トルコの占領下にあるアフリーン市でシリア国民軍に所属するムウタスィム旅団と第9師団のメンバーが撃ち合いとなり、1人が死亡、1人が負傷した。

バーブ市でも、シリア国民軍の憲兵隊と、同軍に所属するアル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動のメンバーらが撃ち合いとなり、戦闘員や住民複数が負傷した。

撃ち合いは、シャーム自由人イスラーム運動のメンバーの1人が市場で女性に言葉での嫌がらせをしたことがきっかけだったという。

AFP, April 18, 2022、Anadolu Ajansı, April 18, 2022、ANHA, April 18, 2022、al-Durar al-Shamiya, April 18, 2022、Reuters, April 18, 2022、SANA, April 18, 2022、SOHR, April 18, 2022などをもとに作成。

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