国連人権理事会はロシアによる軍事侵攻によってウクライナの人権状況が悪化したことを非難する決議を賛成多数で採択した。
採決では、ロシアに代わって理事国となった以下33ヵ国が賛成、12ヵ国が棄権、2ヵ国が反対した。
中国は「決議は公正性も客観性も欠いており、事態の平和的解決ではなく、緊張と対立を招く」と主張し、反対の立場を表明した。
ロシアは理事国としてではなく、決議の関係国として発言を求められたが、代表大使は議場に姿を現さず、「ロシアの息の根を止めたいという欲望から、欧米はナチズムの復活まで容認するつもりだ」とする声明を出した。
また、同じく関係国のウクライナの代表大使は、「重大かつ組織的な人権侵害や戦争犯罪、人道に対する罪が刻々と積み上げられている。残虐行為の責任を追及するためさらなる措置を取ることは、私たちの共通の義務だ」と主張した。
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なお、国連総会は10日、ロシアの資格停止によって空白になっていた人権理事会の理事国を決める選挙を実施し、2023年末までの任期でチェコを理事国とすることを決定した。
採決では、157ヵ国が賛成、23ヵ国が棄権した。
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シリアのフサームッディーン・アーラー駐ジュネーブ国連大使はこの決議に関して、ウクライナの危機を解決するために人権理事会が貢献するということは、ドンバス地方の住民に対して犯された人権や残虐行為といった体系的違反を無視し、ロシアに違法な制裁を科し、ウクライナに武器や傭兵を氾濫させる方針を放棄しることだとしたうえで、西側諸国は、危機をエスカレートさせ、ロシアの国家安全保障を脅かし続けようとしていると非難した。
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AFP, May 12, 2022、ANHA, May 12, 2022、al-Durar al-Shamiya, May 12, 2022、Reuters, May 12, 2022、SANA, May 12, 2022、SOHR, May 12, 2022などをもとに作成。
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