イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務大臣がシリアを訪問し、アサド大統領、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣とそれぞれ会談した。
アブドゥッラフヤーン外務大臣は、6月10日のイスラエル軍戦闘機のミサイル攻撃によって一時利用不能となっていたダマスカス国際空港に専用機で到着、ミクダード外務在外居住者大臣が出迎えた。
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アサド大統領との会談では、二国間関係、両国共通の課題、さまざまな分野での協力関係、シリア国内情勢、トルコのシリア侵略の脅威、地域情勢、国際情勢などについて意見を交わした。
アサド大統領は会談で、数十年におよぶ両国間の強固な関係は、世界に対する西側の覇権の試みに対抗する「意志の同盟」と呼び得るものとなったと述べた。
また、トルコについて、アサド大統領は、「シリア軍がテロ組織に対して進軍する度に、この体制(レジェップ・タイイップ・エルドアン政権)はシリアを侵略している…。シリア領内への侵略を正当化しようとするトルコの主張は、事実を歪めた偽りの主張であり、現実と何の関係もない。国連憲章、国際法の原則、善隣主義に違反している」と述べた。
ウクライナ情勢についても、アサド大統領は「ウクライナでの戦争や西側が被っている政治的敗北は、その化けの皮が剥がれ、嘘が露呈することによるもので、新たな国際秩序の始まりを意味しており、シリアやイラン、自らの原理原則、権利、自決権を守ってきたすべての国や国民にとっての利益になる」と述べた。
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アブドゥッラフヤーン外務大臣とミクダード外務在外居住者大臣の会談では、二国間関係発展の方途、中東地域情勢の進展、両国共通の関心事などについて意見を交わし、シリア、イラン両国を標的とした西側諸国の計略に対抗し続けることの重要性を確認した。
ミクダード外務在外居住者大臣は、米国とその同盟国によるシリア、イランへの一方的な制裁措置の影響を克服するために、両国経済協力を強化する必要があると述べるとともに、イランによる平和的利用を目的とした核開発への支持を改めて表明した。
アブドゥッラフヤーン外務大臣も、両国の戦略的関係が重要であると確認、これを強化することで、欧米諸国の一方的な措置の影響に対処したいと述べた。
会談後、共同記者会見が行われ、ミクダード外務在外居住者大臣は、一部欧米諸国が中東地域におけるテロ拡散を画策していると非難するとともに、ダマスカス国際空港へのミサイル攻撃、会談直前の2日早朝のタルトゥース県に対するミサイル攻撃など、イスラエルによるシリア領内への度重なる侵犯行為に対して、シリアとイランが一致団結して対処し、国際法や国連憲章が保障するかたちで報復権を行使すると表明した。
また、ミクダード外務在外居住者大臣は、シリアとイランの両国が、欧米諸国の支援を受けて続けられるテロを許さない点でも一致していると強調した。
シリアに対するトルコの政策についての記者からの質問に対して、ミクダード外務在外居住者大臣は、アブドゥッラフヤーン外務大臣がこうした問題を解決するためにイランが努力を続けていると述べてくれたことを明かしたうえで、トルコ軍のシリア領内からの撤退、トルコ軍による攻撃の停止、トルコによるテロ支援の停止、シリアの領土の一体性をもたらすいかなる解決策こそ、トルコ側が遵守すべき前向きな解決策だと述べた。
このほか、パレスチナ情勢をめぐっても、シリアとイラクはパレスチナ国民が独立国家建設をはじめとする正当な権利を得られるよう支援していると述べた。
SANA(7月2日付)が伝えた。
AFP, July 2, 2022、ANHA, July 2, 2022、al-Durar al-Shamiya, July 2, 2022、Reuters, July 2, 2022、SANA, July 2, 2022、SOHR, July 2, 2022などをもとに作成。
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