ミクダード外務在外居住者大臣はロシアを公式訪問し、ラブロフ外務大臣と会談:ドネツク、ルガンスク両人民共和国との間で在外公館の相互設置を行うことを明らかに(2022年8月23日)

ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、ロシアを公式訪問し、首都モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談した。

SANA(8月23日付)によると、ミクダード外務在外居住者大臣は会談で、シリアとロシアの関係が発展と進歩の新たな段階に入っているとしたうえで、近く、ドネツク、ルガンスク両人民共和国との間で在外公館の相互設置を行うことを明らかにした。

また、ウクライナ情勢をめぐっては、シリアがテロや過激主義と戦っているのと同じように、ロシアはナチズムや過激主義と戦っていると述べ、改めて理解を示すとともに、西側諸国がウクライナをロシアや諸外国に対する戦争の急先鋒にしようとしていると批判した。

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会談後の共同記者会見において、ミクダード外務在外居住者大臣は、外相会談において、両国の戦略的関係、中東や国連における両国の姿勢について意見を交わしたことを明らかにしたうえで、シリアの領土の一部を占領するトルコと米国の部隊を排除し、テロ組織や「分離主義」民兵への支援、内政干渉、資源盗奪を停止させる必要があると強調した。

一方、トルコとの関係については、1998年にシリアとトルコが締結したアダナ合意を復活させることは可能だとしたうえで、次のように述べた。

トルコとの関係を改善するために実現されるべきことがあり、我々には条件はない。だが、トルコの占領を終わらせねばならない。
もし、我々とトルコが合意を決意すれば、それは、トルコにもシリアにもテロがあってはならないことを意味する。

一方、ラヴロフ外務大臣は、シリア領内に対するイスラエルの攻撃を改めて非難しイスラエルに国際法を尊重するよう求めた。

また、アスタナ会議の保障国であるトルコ、イランとともに、シリアの主権と領土の統一性の維持・強化に向けた取り組みを続けると述べた。

また、トルコが計画しているとされるシリア北部への新たな軍事侵攻作戦について、「受入れられないこと」として、改めて反対の意思を示したうえで、「ロシアとシリアは新たな軍事作戦を阻止するためトルコとの対話をめざしている」と述べた。

AFP, August 23, 2022、ANHA, August 23, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 23, 2022、Reuters, August 23, 2022、SANA, August 23, 2022、SOHR, August 23, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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