ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団、アラビー・ジャディード(8月24日付)などによると、米軍戦闘機複数機が24日午前4時頃、シリア政府の支配下にあるアイヤーシュ村一帯にあるファーティミーユーン旅団とザイナビーユーン旅団が使用しているとされる複数の貯蔵施設、ファーティミーユーン旅団の教練キャンプ(サーイカ・キャンプ)を爆撃、爆発音が少なくとも3回にわたって確認された。
この爆撃で、シリア人と外国人の守衛6人が死亡、「イランの民兵」複数が負傷した。
これに対してSANA(8月24日付)が複数の住民筋の話として伝えたところによると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるユーフラテス川東岸地域のウマル油田とCONOCOガス田に米軍(有志連合)が違法に設置している基地が多数のロケット弾による攻撃を受け、基地の敷地内から煙が上がっているのが目撃された。
同住民筋によると、米軍は基地一帯を封鎖、ヘリコプターを上空で旋回させ、厳戒態勢を敷いた。
死傷者の有無は不明だという。
シリア人権監視団によると、ロケット弾攻撃を行われたのはCONOCOガス田の基地周辺。
シリア政府の支配下にあり、「イランの民兵」が活動するハトラ村一帯から発射されたロケット弾2発が着弾した。
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米軍戦闘機の爆撃に関して、米中央軍は8月23日付で以下の声明を発表した。
米軍部隊は本日、バイデン大統領よりシリアのダイル・ザウル県での精密爆撃命令を受け、爆撃を行った。この精密爆撃は、イランの支援を受けるグループが8月15日に米国人に対して行った攻撃から米軍を防衛・保護することが目的である。米軍の爆撃はイラン・イスラーム革命防衛隊に属するグループによって使用されていたインフラ施設複数カ所を標的とした。
本日実施された爆撃は米国人の保護と防衛のために必要だった。米国は事態悪化と負傷者発生の危険と軽減するため、適切且つ慎重な措置を講じてきた。
バイデン大統領は、こうした命令を米国人の保護と防衛にかかる(憲法)第2条が規定する権限に基づいて与え、イランの支援を受けるグループの攻撃を妨害・阻止した。
米国は紛争を望まない。だが、我が国民を保護・防衛するために必要な措置を講じ続ける。
シリア駐留米軍部隊はこれからもダーイシュ(イスラーム国)の持続的敗北を保障する。
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イラン外務省は声明を出し、米軍が爆撃したダイル・ザウル県内の施設とイランの間には何らの関係もないと発表した。
AFP, August 24, 2022、ANHA, August 24, 2022、al-‘Arabi al-Jadid, August 24, 2022、al-Durar al-Shamiya, August 24, 2022、Reuters, August 24, 2022、SANA, August 24, 2022、SOHR, August 24, 2022などをもとに作成。
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