アレッポ県では、シリア人権監視団、ANHA(10月11日付)などによると、トルコ占領下のバーブ市でメディア活動家のムハンマド・アブドゥッラティーフ氏(アブー・ガンヌーム)と妻の殺害(6日)に対する住民の怒りが高まるなか、シリア国民軍に所属するハムザ師団は、殺害に関与したアブー・スルターンを名乗る司令官を含む複数のメンバーの身柄をシリア国民軍憲兵隊に引き渡した。
身柄を引き渡されたアブー・スルターン司令官は犯行を認め、その証言はSNSを通じて拡散された。
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ハムザ師団がアブドゥッラティーフ氏夫妻殺害事件の容疑者を引き渡したのを利するかたちで、シリア国民軍の第3軍団は、バーブ市内に設置されていたハムザ師団の拠点すべてを掌握した。
第3軍団はまた、ハムザ師団の支配下にあるバザーア村を包囲し、同師団と激しく交戦した。
シリア国民軍に所属するシャーム戦線も、バーブ市一帯、同市近郊のガンドゥーラ町、ライルーワ村にあるハムザ師団の拠点を襲撃し、そのほとんどを制圧、またハムザ師団が管理していたバーブ市近郊の農業学校を転用した収容所を掌握した。
収容所には、シーア派宗徒1人、クルド人3人が収容されていたが、消息は不明。
第3軍団、シャーム戦線とハムザ師団による一連の戦闘で、戦闘で、住民1人が死亡、3人が負傷した。
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一方、トルコ占領下のアフリーン市一帯でも、シャーム戦線は、ヌールッディーン・ザンキー運動(国民解放戦線所属)、ハムザ師団を離反したアブー・ジャービル・バトラーン氏が率いるファールーク旅団とともに、シーラーワー町一帯のハムザ師団支配地に進攻し、フライリーヤ村、カフル・ザイト村、タッル・ハムウ村、トゥラル村、カウカバ村を制圧した。
戦闘は、バーブリート村、フライリーヤ村、ファキーラーン村、カジューマー村、ブルジュ・アブダルー村、バースータ村、アイン・ダーラ市でも発生した。
これに対して、ハムザ師団も反撃、マスタカー村を制圧した。
ハムザ師団の劣勢を受け、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織の一つで国民解放戦線を構成するシャーム自由人イスラーム運動の車列が、シャーム解放機構支配地とトルコ占領地を隔てるガザーウィーヤ通行所を通って、トルコ占領地に入った。
車列は、ハムザ師団を支援するためで、トルコの庇護を受けるシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団が通行所を開放し、通過を許可した。
シャーム自由人イスラーム運動は、シャーム軍団の支配下にあるガザーウィーヤ村、ブルジュ・アブダルー村、バースータ村、バースーファーン村、ブルジュ・ハイダル村、カルズィーハル村一帯に展開した。
シリア人権監視団によると、シリアのアル=カーイダとして知られるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)もトルコの占領地に面するガザーウィヤ通行所一帯地域で厳戒態勢を敷く一方、ANHA(10月11日付)が複数の地元筋の話として伝えたによると、トルコ占領下のアフリーン市近郊のシーラーワー町一帯の村々に入った。
これを受け、同地域内の複数ヵ所に設置されているトルコ軍の基地が厳戒態勢を敷いた。
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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のラアス・アイン市で、シリア国民軍に所属し、ダーイシュ(イスラーム国)の元メンバーらからなる東部自由人運動に近いアカイダート部族のメンバーが、ハムザ師団が管理するシリア国民軍憲兵隊の本部を包囲し、攻撃した。
襲撃は、憲兵隊がアカイダート部族の女性を逮捕したのがきっかけ。
また、ラアス・アイン市では、シリア国民軍のメンバーと地元の部族メンバーが打ち合いとなり、女性と子どもを含む多数が負傷した。
AFP, October 11, 2022、ANHA, October 11, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 11, 2022、Reuters, October 11, 2022、SANA, October 11, 2022、SOHR, October 11, 2022などをもとに作成。
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