イスラエル軍戦闘機が首都ダマスカス周辺をミサイル攻撃(2022年10月21日)

シリア軍筋は声明を出し、イスラエル軍戦闘機が21日午後11時3分頃、ティベリアス湖北東上空から首都ダマスカス周辺の複数ヵ所に向かってミサイル多数を発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、ほとんどを撃破し、被害は物的被害に限られたと発表した。

SANA(10月21日付)が伝えた。

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シリア人権監視団によると、イスラエル軍は、ダマスカス郊外県アイン・ラドワーン地区の防空部隊大隊基地にミサイル2発を、カフル・カーク地区にある軍事施設にミサイル1発を、ダマスカス国際空港一帯(ディーマース町、フサイニーヤ町など)にミサイル多数を発射、ダマスカス国際空港一帯にミサイル多数が着弾したが、人的被害はなかった。

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サウト・アースィマ(9月22日付)によると、20日の晩と21日の晩にイランの貨物機がそれぞれ1機ずつダマスカス国際空港に着陸していたという。

20日晩に着陸した航空機は大型貨物機で、空港で荷物を降ろし、5時間ほど滞在した後、イランの首都テヘランに引き返したという。

イスラエル軍の爆撃の数時間前にあたる21日晩に着陸した航空機は定期旅客機で、通常武器も輸送しているのだという。

イスラエル軍は、17日から20日にかけて開催されていた「シリア難民・避難民の帰還に関する国際会議」に出席するためにシリアを訪問していたロシアの使節団の帰国への対応に空港が追われているのに乗じるかたちで爆撃を行ったという。


同サイトによると、クファイル・ヤーブース村近くの国境協地帯に設置されているレバノンのヒズブッラーの仮設武器弾薬庫、首都ダマスカスの西に設置されている早期警戒システム、ダマスカス国際空港一帯に設置されている武器弾薬庫などを狙った。

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ロシア当事者和解調整センターのオレグ・エゴロフ副センター長は22日、10月21日午後11時2分から8分にかけて、イスラエル空軍のF-16戦闘機4機がゴラン高原上空から巡航ミサイル4発と、誘導航空爆弾8発でシリアの首都ダマスカス一帯とディーマース航空基地一帯を攻撃し、シリア軍のレーダー基地(YLC-6Mレーダー・ステーション)と航空基地の滑走路が被弾したと発表した。

発表によると、人的被害はなく、シリア軍防空部隊は迎撃し、巡航ミサイル2発と誘導爆弾4発を撃破したという。

AFP, October 21, 2022、ANHA, October 21, 2022、al-Durar al-Shamiya, October 21, 2022、Reuters, October 21, 2022、RIA Novosti, October 22, 2022、SANA, October 21, 2022、Sawt al-‘Asima, October 21, 2022、SOHR, October 21, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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