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ロイター通信、AFPはダーイシュのアブー・ハサン・ハーシミー・クラシー指導者殺害作戦に参加した「元」反体制武装集団メンバーの証言を紹介:シリア人権監視団は「自由シリア軍」による殺害作戦を確認していないと発表(2022年12月1日)

ロイター通信(12月1日付)は、ダルアー県でのダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセル掃討を目的とした治安作戦に参加していたという元反体制武装集団のメンバーらの話として、アブー・ハサン・ハーシミー・クラシー指導者殺害にいたる詳細を伝えた。

それによると、治安作戦に参加していた地元民兵らは、シリア軍第5軍団(元反体制武装集団らが参加する部隊)の支援を受けて、ダルアー県ジャースィム市内にあるダーイシュの隠れ家3カ所を強襲、うち1ヵ所でアブー・ハサン・ハーシミー・クラシー指導者(と思われる人物)とその護衛らを包囲した。

包囲戦に参加した元反体制武装集団メンバーの1人で、サーリム・ハウラーニーを名乗る人物によると、民兵らが隠れ家の突入に成功すると、アブー・ハサン・ハーシミー・クラシー指導者(と思われる人物)は護衛1人とともに、着用していた自爆用ベルトを爆発させ、自殺したというという。

一方、AFP(12月1日付)は、作戦に参加していた戦闘員1人の話として、シリア政府との情報交換を経て隠れ家が発見されたと伝えた。

この戦闘員は「最初は作戦がその日のうちに終ると考えていたが、その数(ダーイシュ・メンバーの数)は100人近くいた。うち2人が自爆した」と述べた。

戦闘は、ダーイシュのスリーパーセルが潜伏先としていた住居20棟のうちの5棟をめぐって激しく行われ、アブドゥッラフマーン・イラーキーを名乗るイラク人幹部の死をもって終了したという。

ただし、このアブドゥッラフマーン・イラーキーを名乗るイラク人幹部が、アブー・ハサン・ハーシミー・クラシー指導者なのかどうかは明らかでないという。

なお、一連の報道に関して、シリア人権監視団は、アブドゥッラフマーン・イラーキーを名乗るイラク人幹部の死亡は確認していたが、アブー・ハサン・ハーシミー・クラシー指導者の死亡については確認していないとしたうえで、ジャースィム市での治安作戦で殺害されたと見られるダーイシュ・メンバーの遺体の写真複数枚を公開した。




また、10月に「自由シリア軍」による作戦で死亡したと見られるとの米中央軍(CENTCOM)報道官の声明についても、「自由シリア軍」による活動は確認されていない、と否定した。

AFP, December 1, 2022、ANHA, December 1, 2022、al-Durar al-Shamiya, December 1, 2022、Reuters, December 1, 2022、SANA, December 1, 2022、SOHR, December 1, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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