イラクの首都バグダードで25日に開催されたアラブ議会連合第34回大会に出席したアラブ諸国の国会議長らからなる使節団が、空路でシリアに向い、ダマスカス国際空港に到着した。
アラブ議会連合第34回大会の議長を務めたイラクのムハンマド・ハルブースィー国民議会議長は次のように述べた。
バグダードで開催されたアラブ議員連合を代表する使節団は、姉妹国であるシリアを支え、震災で苦しむその国民に寄り添うことを確認する。
シリアがアラブの大海に復帰し、アラブ姉妹国として地域および国際社会のあらゆるレベルで役割を話すことを支援するのがアラブの姿勢だ。
また、エジプト国民議会のハナフィー・ガバーリー議長もまた、シリアを支援し、同国民に寄り添うとしたうえで、「シリアはアラブ連盟においてあるべき地位を取り戻すだろう。今回の訪問は、シリアの指導部、政府、国民を支援するためのものだ」と述べた。
これに対して、シリア人民議会のハンムーダ・サッバーグ議長は、バグダードでのアラブ議会連合第34回大会の雰囲気が非常に前向きだったとしたうえで、シリアが「アラブのゆりかご」に復帰することが必要だとのアラブ諸国全体の統一姿勢を示すことに力点が置か、そのなかで参加した議長らによる使節団の結成とシリアへの訪問が決定されたことを明らかにし、謝意を示した。
使節団はまた、第2陣がダマスカス国際空港に到着した。
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使節団は首都ダマスカスでアサド大統領と懇談した。
懇談は2回に分けて行われ、そのなかでアサド大統領は、シリアへの使節団の訪問は、シリアが「テロとの戦い」とトルコ・シリア大地震の被害によって困難な状況に置かれているなかでアラブ姉妹国が寄り添う姿勢を示してくれたがゆえに、シリア国民にとって多くを意味していると表明した。
アサド大統領はまた、アラブ諸国のさまざまな機関が、アラブ諸国民のためにイニシアチブを発揮し、行動を起こしてくれたことに着目し、アラブ諸国が政府および国民レベルで迅速に対応し、シリア国民を支援してくれたことに謝意を示した。
その後、アサド大統領は、イラク国民議会のハルブースィー議長と個別に会談し、シリア・イラクの姉妹関係について意見を交わし、両国の地理的繋がりと国民どうしのつながりゆえに、両国民が同様の課題のもとで暮らし、共通の利益のもとにまとまっているとしたうえで、それゆえに両国の議会が両国の関係を強化し、両国民の利益を実現するための公的活動の支援者としてとして重要だと述べた。
アサド大統領はまた、アラブ議会連合第34回大会の使節団の訪問が、アラブ民衆と鼓動と元来のありようを代表しており、アラブ人民のコンセンサスを反映したものだとして高く評価した。
これに対して、ハルブースィー議長は、アラブ議会連合が、アラブ世界におけるシリアの役割の復活に向けた努力を惜しまないと応えるとともに、イラクがトルコ・シリア大地震によるシリアでの被災者を救援するシリア政府の取り組みを支えるため可能なあらゆる支援を行うと表明した。
アサド大統領は続いて、アラブ首長国連邦(UAE)連邦国民評議会のサクル・ガッバーシュ議長やアラブ議会連合第34回大会に出席したUAE使節団とも個別会談した。
ガッバーシュ議長らは、今回のシリア訪問がUAE国民のシリアへの愛、そしてトルコ・シリア大地震、さらには経済制裁や封鎖に苦しむシリア国民への思いを伝えるものだとしたうえで、シリア国民に寄り添い、支援を継続する意思を表明した。
これに対して、アサド大統領は、UAEによる被災者の支援に謝意を示し、両国が議会レベルでの活動に力点を置くことが重要で、両国関係の強化、両国民の繋がりの強化につながると述べた。
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その後、使節団は、人民議会議事堂を訪れ、議員との懇談会が行われた。
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SANA(2月26日付)が伝えた。
AFP, February 26, 2023、ANHA, February 26, 2023、al-Durar al-Shamiya, February 26, 2023、Reuters, February 26, 2023、SANA, February 26, 2023、SOHR, February 26, 2023などをもとに作成。
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