【トルコ・シリア大地震】シリア人権ネットワークは情報・データ収集方法について明示せずに、政府支配地の犠牲者数が394人に過ぎず、政府が諸外国や国際機関の支援の90%を略奪していると喧伝(2023年2月28日)

反体制組織のシリア人権ネットワークは、2月6日のトルコ・シリア大地震による被害状況についての2回目となる報告書を発表した。

8ページからなる報告書は、冒頭の「方法論」において、報告書で発表されている情報やデータの収集方法について明示せず、「地震という特別な状況下での対応を要請された専門チーム…の経験、広範なネットワーク、地理的な拡がりに依拠して」調査を行ったとしたうえで、犠牲者の数、支援の状況について、根拠のない数値や断定を羅列している。

なお、同報告書によると、犠牲によるシリア人犠牲者は7259人で、内訳はトルコ国内での死者4331人、政府の支配下にないシリア北西部2534人、政府支配地が394人。

また、シリア政府に対して諸外国や国際機関が提供している支援の90%を「略奪」していると断じているが、同ネットワークのファドル・アブドゥルガニー執行局長の発言がその根拠となっており、信憑性はきわめて低い。

SNHR, February 28, 2023をもとに作成。

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