翟隽(てき・しゅん、Zhai Jun)中国政府中東問題特使がシリアを訪問し、アサド大統領と会談した。
アサド大統領は、翟特使と、両国間関係、両国関係にかかる共通のイメージなどについて意見を交わした。
会談で、アサド大統領は、世界レベルでのもっとも重要な好転は、穏健でバランスのとれた中国の役割によって促進されているとしたうえで、この役割が、安定、和平、すべての人の利益の実現を原則しているがゆえに、政治、経済、文化の新たなモデルとなっていると評価した。
また、ロシア中国関係、さらにはBRICsが多極的国際システム構築を創り出し得る国際的なアリーナとなっているなか、今日の世界全体が、その情勢の均衡再編において、政治、経済における中国の存在を必要としていると強調した。
さらに、アサド大統領は、サウジアラビアとイランの関係改善における駐豪の仲介を称賛、これが中東全域の安定をもたらすだろうと述べた。
一方、アサド大統領は、一帯一路構想が経済開発や協力を実現するうえで重要だと指摘、国際社会における対立が主に経済にかかわるものであるなかで、米ドルによる取引の束縛から解放されることが必要になっており、BRICsはこの分野において主導的な役割を果たすことができ、中国の人民元による国家間貿易を行う選択肢もあると述べた。
アサド大統領は、このほかにも、中国がシリアの主権を防衛するための戦争において、国際法や国連憲章に沿ってシリアに寄り添ってくれたことをシリアは忘れることはなく、トルコ・シリア大地震に際して中国が行った支援のすべてを高く評価していると表明した。
これに対して、翟特使は、二国間関係におけるさらなる成果の実現への意欲を示し、中国がシリアとの関係を戦略的な視点、包括的なヴィジョンのもとに捉えていると述べた。
翟特使はまた、中国が「テロとの戦い」にけるシリア国民の勝利に安堵していると表明、この勝利が主権と尊厳を守ろうとするすべての国の勝利だと指摘、中国が国際社会においてシリアに引き続き寄り添い、その言動を通じて、権利と正義を守り、覇権主義、テロ、内政干渉に対するシリアの戦いを支援すると表明した。
さらに、シリアとアラブ世界の接近について支持を表明した。
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翟特使はまた、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣とも個別に会談した。
会談で、ミクダード外務在外居住者大臣は、シリアが中国の国土と人民の一体性、「一つの中国」原則に対して改めて支持、この点に関して一部諸外国が中国の内政に干渉していることを拒否すると表明した。
ミクダード外務在外居住者大臣はまた、グローバル安全保障イニシアチブ、グローバル開発構想、グローバル文明イニシアティブなど、中国の習近平国家主席による一連のイニシアチブへの支持を表明、中国による「テロとの戦い」への支援についても高く評価した。
これに対して、翟特使は、シリアに内政干渉しようとするすべての試みを拒否し、シリアの統合、主権、独立を改めて支持、シリア国民に対する一方的な制裁解除とシリア領内からの違法の外国部隊の撤退を呼びかけた。
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SANA(4月29日付)が伝えた。
AFP, April 29, 2023、ANHA, April 29, 2023、al-Durar al-Shamiya, April 29, 2023、Reuters, April 29, 2023、SANA, April 29, 2023、SOHR, April 29, 2023などをもとに作成。
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