シリアのファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン・アール・スウード外務在外居住者大臣、エジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣、イラクのフサード・フサイン外務大臣、ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣がヨルダンの首都アンマンで5ヵ国外務大臣会合を行った。
会談後5ヵ国の外務大臣は共同声明を発表し、以下のことを確認した。
- シリアの危機と、それによる殺戮、破壊、シリア国民の苦難、これらが地域や世界にもたらす悪影響を終らせることを優先事項とする。
- シリアの統合、主権を維持し、シリア国民の願望に沿い、テロを根絶し、難民の自発的帰還にふさわしい環境の強化に資し、違法駐留を続けるすべての外国部隊を撤退させ、シリアの国益を実現し、同国が治安、安全、健全さ、役割を回復させる政治的解決もって、危機の解決をめざす。
- 人権、治安・安全保障、政治の三つの議題に関して、合意した行程に沿って協議を継続する。
国連安保理決議第2642号と第2672号に従い、シリア政府、国連機関と連携して、シリア国内のすべての地域に人道支援、医療支援を提供する。 - シリア政府によるバーブ・サラーマ国境通行所、ラーイー国境通行所の開放決定を歓迎する。
- 難民の自発的且つ安全な機関を最優先課題とし、必要な措置を講じる。
- 国連機関との連携のもと、シリア政府と難民受け入れ国の協力を強化する。
- 国連機関との連携のもと、シリア政府は帰還者のニーズを特定する。
- 国際社会、国連とともに、早期復旧プロジェクトの実施を加速させる。
- ルクバーン・キャンプを問題など、国内避難民(IDPs)にかかる問題を解決するため、同様の措置を講じる。
- シリア政府とヨルダン政府は、国連帰還と連携して、ヨルダン在住のシリア難民約1000人の自発的帰還プロセスに着手する。
- すべての当事者、関連する国際機関、赤十字国際委員会などと連携して、拉致被害者、逮捕者の身柄引き渡し、失踪者の捜索における協力を強化する。
- シリア政府は関連諸国、国連と協力して、治安強化、テロ撲滅対策の強化に向けた包括的な戦略を策定し、シリア領内のテロ組織を根絶する。
- シリアおよびその国家機関による全土掌握と法の支配の回復、武装テロ組織の根絶、外国の内政干渉停止にむけた合法的な取り組みを支援する。
- シリアと近隣諸国など関連諸国が麻薬密輸・取引取り締まりで協力を強化する。
- 国境安全保障にかかる課題に対処する。
- 制憲委員会(憲法制定委員会)の議事再開に向けて取り組む。
- 国際社会、アラブ諸国とともに、シリア国民の苦難、シリア危機に伴う悲惨な状況を終らせ、国益を実現し、安全且つ尊厳のある生活を送るシリア国民の願望や権利に沿って、安全な未来に向けた復興の道へとシリアを向かわせ、この地域におけるシリアの歴史的役割を回復する。
- 会合での成果をフォローアップするための技術チームを発足させる。
SANA(5月1日付)が伝えた。
AFP, May 1, 2023、ANHA, May 1, 2023、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2023、Reuters, May 1, 2023、SANA, May 1, 2023、SOHR, May 1, 2023などをもとに作成。
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