『シャルク・アウサト』(5月6日付)は、複数筋の話として、シリア政府がガザ地区でのハマースとイスラエルの衝突に対して「中立」な姿勢ととり、ゴラン高原で戦端を開くことを拒否していることに対して、イランが理解を示すのを拒否していると伝えた。 同筋によると、イランは、自分たちの国がシリア政府を守るために可能なすべてのことを行っているにもかかわらず、シリア政府はイランと距離を置くことへの見返りとして、欧米諸国との対話を狙っていると見ているのだという。 同筋によると、シリア政府は、1990年にイラクのサッダーム・フセイン政権を犠牲にして、クウェートをイラクから解放するために結成された米主導の有志連合に参加した時と同じように、ガザでの紛争に乗じて、西側諸国と関係改善し得ると考えている、という。 両国の関係は、イスラエル軍が首都ダマスカスにあるイラン大使館(領事官)への爆撃などでイラン・イスラーム革命防衛隊の幹部らの殺害を続けるなかで後退する一方、イランに好意的ではないキファーフ・ムルヒム少将の国民安全保障会議議長就任にイランは疑念を抱いているという。 AFP, May 6, 2024、ANHA, May 6, 2024、'Inab Baladi, May 6, 2024、Reuters, May 6, 2024、SANA, May 6, 2024、al-Sharq al-Awsat, May 6, 2024、SOHR, May 6, 2024などをもとに作成。 (C)青山弘之 All rights reserved.