「シリアのアル=カーイダ」として知られ、シリア北西部(イドリブ県中北部など)を実効支配する国際テロ組織のシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者は幹部とともに、トルコ国境に近いスンマーク山(ハーリム山)地方の村々の名士らと会談した。 同機構の傘下にあるアムジャード広報機構が配信した映像において、名士らの陳情に耳を傾けたジャウラーニー指導者は以下の通り述べた。 我々はスワイダー県の住民のインティファーダ(蜂起)を祝福し、彼らの要求を支持する。我々また、ダルアー県、東部地域のラッカ県、ハサカ県、ダイル・ザウル県の住民の不正義に対する蜂起を祝福する。 喜びを隠さず、表明しよう。あなた方の喜びはあなた方だけのものではない。我々には幸福にになる権利がある。 これは革命に利益をもたらすもので…、目標は一つだ…。ただ、我々は市民の尊厳や生存権といった一般論には同意するが、細かな点では意見が異なっている。とはいえ、これらについてはいずれ克服することができる。 名士らは、教育や保健衛生における支援、雇用機会の提供、イドリブ県の住民が県外で暮らす親族の動産・不動産を取得できる比率を30%から50%に引き上げることなどを陳情した。 これに対して、ジャウラーニー指導者は、シャーム解放機構が自治を委託しているシリア救国内閣の成果、イドリブ県でのサービスや経済の運営のありようを披露、そしてシリア政府の施政との比較を行った。 AFP, September 8, 2023、ANHA, September 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2023、'Inab Baladi, September 8, 2023、Reuters, September 8, 2023、SANA, September 8, 2023、SOHR, September 8, 2023などをもとに作成。 (C)青山弘之 All rights reserved.