シリアにかかるアラブ連絡委員会(5月のアンマン宣言とアラブ連盟第32回首脳会議で発足が呼びかけられる)の第1回閣僚会合がエジプトの首都カイロで開催され、シリアのファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣、エジプトのサーミフ・シュクリー外務大臣のほか、サウジアラビア、ヨルダン、イラクの外務大臣が出席した。 会合で、ミクダード外務在外居住者大臣は、アラブ諸国による共同行動の活性化と継続的な意見交換がこれまで以上に必要となっているとしたうえで、シリアの主権、独立、統一、領土の一体性、内政不干渉の遵守が、対シリア関係、シリアをめぐるさまざまな問題に対処するうえでの基本だと強調した。 ** なお、閉幕声明では以下の点が確認された。 シリアの主権と一体性を維持し、国民の願望に沿って、シリア危機を段階的に解決するための実効的な措置を講じる必要を確認する。 シリア危機の唯一の解決策は政治的解決であり、制憲委員会の議事再開への期待を表明する。 シリア国民の人道危機を解消する取り組みを重点的に行う必要を確認する。またこの枠組みのなかで、シリア政府がイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所、アレッポ県のバーブ・サラーマ国境通行所、ラーイー村北の通行所を通じた国連による越境(クロスボーダー)支援を認めたことを歓迎する。 難民の自発的且つ安全な帰還を促進するなどして、難民危機に対処する必要を確認する。 早期復旧プロジェクト実施加速のために国際社会、国連の取り組みを強化することを確認する。 ** SANA(8月15日付)が伝えた。 AFP, August 15, 2023、ANHA, August 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, August 15, 2023、'Inab Baladi, August 15, 2023、Reuters, August 15, 2023、SANA, August 15, 2023、SOHR, August 15, 2023などをもとに作成。 (C)青山弘之 All rights reserved.