広島で5月19日に開幕したG7広島サミットは、首脳らによる討議の成果をまとめた首脳宣言(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100506875.pdf)を発表、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を強化するするとともに、ウクライナ支援を継続するほか、現実的なアプローチを通じて「核兵器のない世界」に向けて取り組むと表明した。 また「グローバル・サウス」とも呼ばれる新興国や途上国に対し、各国の事情を考慮しながら支援すると強調した。 シリア情勢をめぐっては、以下の通り明記した。 我々は、シリアにおいて、国連安保理決議第2254号に沿った国連主導の包括的な政治プロセスに引き続き断固として取り組んでいく。我々は、政治的解決に向けた真の永続的な進展があった場合にのみ、と国際社会が正常化と復興支援を考慮すべきであることを再確認する。我々は、化学兵器禁止機関(OPCW)の活動への継続的な支持を表明し、化学兵器の使用、国際人道法および国際人権法を含む国際法違反の責任者の責任追求を行うと約束する。我々は、範囲や規模といった点で他に選択肢のない国連の越境(クロス・ボーダー)支援を通じて、支援を必要としているすべてのシリア人への完全かつ妨げられない人道的アクセスを求める。我々は、シリア北東部に抑留されているダーイシュ(イスラーム国)のメンバーや避難民に対する永続的な解決策を含め、ダーイシュの永続的な敗北に引き続き取り組んでいく。 AFP, May 20, 2023、ANHA, May 20, 2023、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2023、Reuters, May 20, 2023、SANA, May 20, 2023、SOHR, May 20, 2023などをもとに作成。 (C)青山弘之 All rights reserved.