【トルコ・シリア大地震】国連OCHAは地震発生後初めて境界経由(クロスライン)で政府支配地からシャーム解放支配下のシリア北西部に支援物資を輸送(2023年6月23日)

国連人道問題調整事務所(OCHA)のシリア事務所は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/OCHA_Syria/)を通じて、シリア政府の支配下にあるアレッポ県から、シャーム解放機構の支配下にあるシリア北西部に人道支援物資を輸送したと発表した。

物資の輸送は、国連安保理決議第2672号に沿った越境(クロスボーダー)および境界経由(クロスライン)による支援の一環。

シリア北西部で支援活動にあたっている反体制組織のシリア対応調整者はフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/humanitarianresponse1/)で、物資は貨物車輛10輛に積まれ、M4高速道路沿線のサラーキブ市(シリア政府支配下)とタルナバ村(シャーム解放機構支配下)を隔てる通行所を経由して、シリア北西部に入ったことを明らかにした。

同組織によると、サラーキブ市・タルナバ村の通行所を経由した今回の境界経由での物資の輸送は、国連安保理決議第2672号採択(2023年)後初めてとなる輸送で、境界経由での支援を定めた国連安保理決議第2585号採択(2021年)以降では11回目、車輛総数は163輛となる。

なお、国連安保理決議第2585号採択を受けて、シリア北西部に物資を輸送した貨物車輛は71輛、同決議の失効に伴って2022年に国連安保理決議第2642号が採択されて以降、物資を輸送した貨物車輛は82輛。

2月6日にトルコ・シリア大地震が発生して以降は、サラーキブ市・タルナバ村の通行所を経由した支援は行われこなかった。

その一方で、トルコからの越境支援では、これまでに3,045輛が支援物資を輸送したが、うち2,556輛がトルコとシャーム解放機構の支配地を結ぶイドリブ県バーブ・ハワー国境通行所を経由してシリア領内に物資を輸送しているという。


一方、イナブ・バラディー(6月23日付)によると、トルコ・シリア大地震発生以降にバーブ・ハワー国境通行所を越境した貨物車輛は2,591輛、トルコ占領地とを結ぶアレッポ県バーブ・サラーマ国境通行所を越境したのは428輛、ラーイー村北の通行所を越境したのは79輛。

AFP, June 23, 2023、ANHA, June 23, 2023、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2023、‘Inab Baladi, June 23, 2023、Reuters, June 23, 2023、SANA, June 23, 2023、SOHR, June 23, 2023などをもとに作成。

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