イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をめぐる動き(2014年6月21日)

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シリア国内の動き

Syria Newsdesk(6月21日付)は、フサーム・ムハンマドを名のるラッカ県の市民活動家の話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が治安当局元士官2人を解任し、外国人戦闘員を後任として任用している、と報じた。

同報道によると、解任された2人は、離反士官で、当初は自由シリア軍のメンバーだったが、その後、ダーイシュに参加していたという。

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シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル県で活動する反体制武装集団のブラーク大隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に対し、今後は抵抗せず、ダイル・ザウル航空基地制圧のためにシリア軍との戦闘に専念する旨、告知した。

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ハサカ県では、ARA News(6月21日付)によると、シリア軍ヘリコプターが前日に引き続き、タッル・ハミース村、タッル・ブラーク町などのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)拠点を空爆した。

また、カーミシュリー市空港に隣接するハラーリーヤ地区に迫撃砲が3発着弾した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(6月21日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が占拠するムーハサン市、ブー・ウマル村をシリア軍が砲撃し、「テロリスト」の武器弾薬庫を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が19日に拘束された「自由シリア軍」司令官3人の遺体がムーハサン市郊外のユーフラテス川岸で発見された。

遺体で発見されたのは、自由シリア軍ムーハサン地区軍事評議会のハサン・ハーフィズ副議長ら3人で、いずれもムーハサン市でダーイシュに拘束されていた。

イラク国内の戦況

アンバール県では、マダー・プレス(6月21日付)が報じたところによると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がユーフラテス川沿いの対シリア国境に位置するカーイム市の国境通行所を制圧、同市を中心とするカーイム郡をほぼ完全に制圧した。

またダーイシュは同県西部のワーラ郡、アーナ郡を制圧した。

さらにラマーディー市西部のハディーサ郡に侵入を試みるダーイシュがイラク軍と交戦した。

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サラーフッディーン県では、マダー・プレス(6月21日付)が報じたところによると、トゥーズ・フールマートゥー郡・スライマーン・ベク村間で、イラク・クルディスタン地域ペシュメルガとイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が交戦し、ダーイシュ戦闘員多数が死亡した。

ペシュメルガ側にも複数の負傷者が出たという。

またイラク軍ヘリコプターがティクリート大学農学部内のダーイシュの拠点を空爆する一方、ダーイシュ戦闘員8人がアラム地方サムラ村を掌握した。

一方、バイジ製油所周辺でイラク軍とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘が続いた。

このほか、サーマッラー市西部での掃討作戦で、治安部隊がダーイシュの司令官1人を逮捕した。

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バービル県では、マダー・プレス(6月21日付)が報じたところによると、首都バグダードとバスラ市を結ぶ国際幹線道路に侵入、占拠を試みたイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と治安部隊が交戦、ダーイシュ戦闘員5人を殲滅した。

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ディヤラ県では、マダー・プレス(6月21日付)が報じたところによると、ヤアクーバ市北東部のカッバーシー地方とマイヤーフ地方で、治安部隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の掃討作戦を行い、戦闘員15人を殲滅した。

AFP, June 21, 2014、AP, June 21, 2014、ARA News, June 21, 2014、Champress, June 21, 2014、al-Hayat, June 22, 2014、Kull-na Shuraka’, June 21, 2014、al-Mada Press, June 21, 2014、Naharnet, June 21, 2014、NNA, June 21, 2014、Reuters, June 21, 2014、SANA, June 21, 2014、Syria Newsdesk, June 21, 2014、UPI, June 21, 2014などをもとに作成。

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