クルド民族主義勢力の動き:イラクで活動するシリアのクルド民族主義諸派が糾合(2014年10月22日)

イラク・クルディスタン地域のドホーク市で、民主統一党を除くシリアの主なクルド民族主義政党・政治組織が会合を開き、合同自治政府を設置する方針で合意した。

会合に参加したのは、イラク・クルディスタン地域自治政府が後援するシリア・クルド国民評議会(シリア革命反体制勢力国民連立)傘下の12組織、トルコのPKKが後援するとされる民主連合運動(TEV DEM)傘下の12組織など30組織。

「政治的権威(マルジャイーヤ)」、「合同執政府」、「合同軍」の設置に向けた折衝を続けることで合意するとともに、シリア・クルド国民評議会側代表6人とTEV DEM側代表6人の合わせて12人を次回の会合で選出し、協議を継続することを確認した。

この合同自治政府と、民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局(自治政府)の関係は不明。

ARA News(10月22日付)などが伝えた。

ARA News, October 22, 2014

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マスウード・バールザーニー大統領がアイン・アラブ市へのペシュメルガ派遣を決定したのを受け、イラク・クルディスタン地域議会が招集され、アイン・アラブ市(アレッポ県)への軍事支援についての審議がアルビル市で行われた。

審議にはムスタファー・サイイド・カーディル・ペシュメルガ大臣が出席し、アイン・アラブ市へのペシュメルガ派遣が「有志連合、トルコ、シリアの民主統一党の合意を受けて決定された」と証言するとともに、「ペシュメルガの任務は支援の提供であり、特定の政党ではなく、クルディスタン地域を公式に代表するものだ」と述べ、米軍によるアイン・アラブ市への武器・医療物資投下を主導したPUK(クルディスタン愛国同盟)を牽制した。

またペシュメルガ省のジャッバール・ヤールー事務局長は声明を出し、「コバネ(アイン・アラブ)市に投下された武器は、有志連合がペシュメルガに供与したものではない。なぜなら有志連合は、クルディスタン地域領内での使用を供与の条件としているからだ」と述べた。

一方、民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首は、議会の審議に出席した後、記者会見を開き「コバネ(アイン・アラブ)市に送られた武器はクルドのものであり、クルド人に送られた。ペシュメルガ派遣の決定は、イラク・クルディスタン地域のクルド人の外交的勝利の結果だ」と述べた。

AFP, October 22, 2014、AP, October 22, 2014、ARA News, October 22, 2014、Champress, October 22, 2014、al-Hayat, October 23, 2014、Kull-na Shuraka’, October 22, 2014、al-Mada Press, October 22, 2014、Naharnet, October 22, 2014、NNA, October 22, 2014、Reuters, October 22, 2014、SANA, October 22, 2014、UPI, October 22, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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