諸外国の動き:米・トルコがトルコ領内の空軍基地の使用、反体制派保護のための安全保障地帯設置で合意間近か?(2014年12月1日)

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月1日付)は、米・トルコ両国の複数の高官の話として、両国が、ダーイシュ(イスラーム国)掃討のためのトルコ領内の空軍基地の使用、対シリア国境地帯における反体制派と避難民保護のための安全地帯設置について合意しようとしている、と報じた。

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がトルコを訪問し、アンカラでレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談、二国間関係やシリア情勢などについて協議した。

シリア情勢に関して、エルドアン大統領は「シリア問題に関してロシアとの見解の相違がある」としつつ、「我々はシリア危機を人道的側面から見なければならない。アサドは国民を殺した。我々はダーイシュ(イスラーム国)やテロとの戦いに専念している。しかしアサドこそがシリア人の苦悩の主因だ。彼の体制が存続したままでの解決はない」と述べた。

一方、プーチン大統領は「アサド大統領は…(大統領)選挙で勝利し…シリア人からの支持を得ている…。シリアでの行動は、テロ抑止と流血停止に集中しなければならない…。我々はトルコとダーイシュ撲滅の必要で合意している」と述べた。

『ハヤート』(12月2日付)などが伝えた。

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国連の世界食糧計画(WFP)は、資金不足により、レバノン、ヨルダン、トルコ、イラク、エジプトのシリア人避難民に対する食糧支援を中止した、と発表した。

AFP, December 1, 2014、AP, December 1, 2014、ARA News, December 1, 2014、Champress, December 1, 2014、al-Hayat, December 2, 2014、Kull-na Shuraka’, December 1, 2014、al-Mada Press, December 1, 2014、Naharnet, December 1, 2014、NNA, December 1, 2014、Reuters, December 1, 2014、SANA, December 1, 2014、UPI, December 1, 2014、The Wall Street Journal, December 1, 2014などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

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