ローマで開かれたシリアの友連絡グループ会合にハティーブ議長が参加、閉幕後の記者会見で米国務長官は「シリア革命反体制勢力国民連立の努力を支援するため」6,000万米ドル相当の非軍事支援を行うと発表(2013年2月28日)

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シリアの友連絡グループ会合(ローマ)

イタリアのローマで、シリアの友連絡グループ会合が開かれ、西側諸国、湾岸アラブ諸国、トルコなど11カ国外相、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長、リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相らが参加した。

Reuters, February 28, 2013

西側諸国が2011年9月から12年11月まで積極的に支援してきたシリア国民評議会(シリア・ムスリム同胞団が主導)は会合をボイコットしたが、一部のメンバーは出席した。

会合後に発表された閉幕声明の骨子は以下の通り:

1. シリア政府は住宅地区への「無差別」砲撃を即時に停止しなければならず、これらの行為は処罰を免れ得ない人道に対する罪である。
2. シリアの友連絡グループ各国は、現地におけるパワー・バランス(シリア政府の優位)を変化させる必要を確認する。
3. シリアの友連絡グループ各国は、一部諸外国によるシリア政府への武器供与が引き続き行われていることに懸念を表明する。
4. シリアの友連絡グループ各国は、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、さらなる政治的・物的支援を行い、シリア国内に具体的な支援物資を搬入する。

しかし声明では、反体制勢力に対する支援の額、内容、そして国内での具体的な物資受入機関については明記されなかった。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブは会合後、ジョン・ケリー米国務長官と共同記者会見を開いた。

会見で、ハティーブ議長は、シリア国内への支援を行うため、ヒムス県やダマスカス郊外県ダーライヤー市への「安全保障救済回廊の設置」を求めたことを明らかにした。

また「シリア国民と革命家たちに、完全なる自衛権を与える」よう求めたとしたうえで、「反体制勢力に高度な武器を供与しない…という国際的な合意がある…。もしそうしたいのなら、過去の契約の名のもとに今日もなお続いているシリア政府への高度な兵器の兵站支援を止めよ」と述べ、ロシアやイランを非難した。

さらに国内でテロを行っている武装勢力に関して、「国内で戦っている同胞のほとんどが、武器を持つことを余儀なくされた穏健な人々だ。我々の社会にとって異質な思想を持った者が若干はいる。我々はこうした事態を明確に拒否している。タクフィール主義思想に反対している」と述べ、シャームの民のヌスラ戦線を反体制勢力の一部だとした2012年末の姿勢を撤回した。

政権との対話イニシアチブに関しては、アサド政権の退陣と抑圧的な軍・治安機関の解体が条件になると改めて述べた。

一方、ケリー国防長官は、米国が6,000万米ドル相当の支援を行うと発表、「今後数ヶ月中に、シリア革命反体制勢力国民連立の努力を支援するため、兵器以外の支援を行うだろう」としたうえで、自由シリア軍に対して「医療、食糧支援」など「直接支援が行われるだろう」と述べた。

米国がシリア国内の反体制武装勢力への直接支援を公言するのは、これが初めてだが、『ハヤート』(3月1日付)によると、米国はこれまでシリアに対して3億8500万米ドルの人道支援を行うとともに、5,400万米ドル相当の通信機器、医療物資を供与している。

なお共同記者会見終了直前、「U$A, EU, ITALY, QATAR, SAOUD, TURKEY SUPPORT TERRORISTS」と書かれたプラカードを掲げた活動家が、抗議の意思を示した。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長は、フェイブック(2月28日付)を通じて声明を出し、3月2日のイスタンブールでのシリア革命反体制勢力国民連立の会合で選出される予定の移行期政府の首班候補の一人として自身の名があげられていることに関して、連立メンバーがいかなるポストも得るべきでなく、若者に委ねるべきだと主張してきたと述べ、首班就任を辞退する意思を示した。

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リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相は声明を出し、3月2日のイスタンブールでのシリア革命反体制勢力国民連立の会合で選出される予定の移行期政府の首班候補の一人として自身の名があげられていることに関して、これを辞退するとの意思を示した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のサミール・ナッシャールは、ザマーン・ワスル(2月28日付)に対して、ローマでのシリアの友連絡会合からの「政治的指示」により、3月2日にイスタンブールで予定されている移行期政府首班選出のためのシリア革命反体制勢力国民連立の会合が延期される見込みだと述べた。

ナッシャールによると、延期は、米国とロシアが、ジュネーブ合意に沿って、反体制勢力と現政府の双方が参加したかたちでの移行期政府の樹立を行う点で合意したためだという。

ナッシャールは、反体制武装勢力の間で移行期政府首班指名に関する意見の相違はないが、「事態は中東地域のコントロール外、反体制勢力の枠外に置かれてしまった」と批判した。

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シリアの友連絡グループ会合後にシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、3月2日にイスタンブールで予定されていた移行期政府首班選出のための会合を無期限で延期すると発表した。

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自由シリア軍国内合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー(在レバノン、写真)は、アナトリア通信(2月28日付)に対して、「シリアの主権下にあるこれらの村(ヒムス県の対レバノン国境の8村)の住民はスンナ派、シーア派、アラウィー派、キリスト教徒からなり、シーア派の村は二つしかなく、レバノン人住民はその一部に過ぎない」と述べ、ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の演説(27日)内容を否定した。

Naharnet, February 28, 2013

そのうえで「我々はいかなる代償を払おうとも、占領された村を奪還する」と述べたうえで、「これらの村からスンナ派の住民を排除しようとしている」と断じた。

一方、ミスリーはダマスカス郊外県アクラバー村で、自由シリア軍がヒズブッラーの戦闘員1人を殺害したと発表した。

ミスリーによると、アクラバー村とサイイド・ザイナブ市のヒズブッラー戦闘員どうしの無線通信を傍受し、殺害に至ったという。

ミスリーは、「ヒズブッラーの戦闘員が、シリア領内、とりわけダマスカス郊外で、毎時殺戮を行っている」と断じた。

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クルド最高会議とシリア革命反体制勢力国民連立の代表は、2月17日の民主統一党と自由シリア軍ハサカ革命軍事評議会のラアス・アイン市での停戦合意を承認し、同合意実施に向けて全面支援することを確認した。

国内の暴力

ヒムス県では、SANA(2月28日付)によると、ヒムス市アクラマ・ジャディード地区で、反体制武装勢力が爆弾を仕掛けた車が爆発し、市民1人が死亡、24人が負傷した。

また、ラスタン市郊外、東ブワイダ市、サッルーミーヤ市、カマーム市、アービル村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街のウマイヤ・モスクから軍が撤退し、反体制武装勢力が同モスクを占拠した。

軍は早朝にモスクから撤退し、周辺の施設に再結集したという。

また同監視団によると、ウマイヤ・モスク周辺では依然として戦闘が続いており、反体制武装勢力は近くの裁判所などを占拠し、アレッポ城からの軍の兵站路を遮断しようとしている、という。

一方、SANA(2月28日付)によると、カフルナーハー村、アイン・ダクナ村、マンナグ村、ラスム・アッブード村、ザハビーヤ村、ナイラブ村(航空基地周辺)、タッル・アッジャール村、サフィール市、タッル・リフアト市、ハーン・アサル村(警察学校周辺)、タッル・シュガイブ村などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ダウワール・ジャズマーティー、ダウワール・マルジャ、サーリヒーン地区、アンサーリー地区、カースティールー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(2月28日付)によると、ザマルカー町、アルバイン市、ドゥーマー市、ハラスター市、アドラー市、ムウダミーヤト・シャーム市郊外、ザバダーニー市、ナブク市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム旅団、ファールーク大隊、ラフマーン大隊メンバーなど複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(2月28日付)によると、ダルアー市、ブスラー・シャーム市、ウンム・マヤーズィン町などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(2月28日付)によると、サラーキブ市、ビンニシュ市、カフルワジーン市、マアッラトミスリーン市、タッル・マルディーフ市、ジスル・シュグール市などで、軍が反体制武装勢力の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(2月28日付)によると、スライヒーン町で軍が反体制武装勢力と交戦、戦闘員を殲滅した。

国内の動き(シリア政府の動き)

シリア航空公社のガイダー・アブドゥッラティーフ総裁は、AFP(2月28日付)に対して、ダマスカス国際空港への街道は「安全で、旅行者の安全は保証されている」と述べ、各国の航空会社にダマスカス、ラタキア、カーミシュリーの国際空港への便を再開するよう呼びかけた。

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シリアの外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長に宛てて書簡を提出、そのなかでイスラエルによるゴラン高原での石油採掘計画に関して、「違法であり、国連諸決議の明らか違反」と非難、国際社会に「真摯な対応」を求めた。

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Damas Post(2月28日付)は、日刊紙『サウラ』、『ティシュリーン』を発行するワフダ公社消息筋の話として、同公社の地方紙『ジャマーヒール』(アレッポ県)、『フラート』(ダイル・ザウル県)、『ウルーバ』(ヒムス県)の紙媒体での配布を停止し、インターネット版のみを発行する決定を下したと報じた。

諸外国の動き

フランスのフランソワ・オランド大統領がロシアを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領と会談、シリア情勢などを協議した。

会談後の記者会見で、プーチン大統領は「フランス大統領は我々が示した意見の一部に同意したと思う…。シリア危機正常化をめぐって新たな提案がなされた。すべてのパートナーとこの提案を協議し、実施を試みることは可能だと思う」と述べた。

また「国際テロリストや過激派集団が自らの目的を実現するためにシリアの惨状を利用することは許されない」としたうえで、「ロシアとフランスの立場には相違があるが、我々はシリアの保全と国民統合の維持を呼びかけている」と強調した。

一方、オランド大統領は、「モスクワのこだま」ラジオに対して、「我々が政治的正常化に至らなければ、武器が輸出されるだろう。しかし、フランスからではない」と述べ、反体制武装勢力への武器供与を否定した。

しかしシリアの紛争の解決がいつ解決するかに関して、「ロシア大統領の姿勢に大きく関わっている」と述べ、ロシアの姿勢が紛争長期化をもたらしていると暗に批判した。

またアサド政権の存続の是非に関して、「我々はこの問題を議論している。権力移譲をめぐる対話が成功することを希望する…。プーチン大統領が反体制勢力承認に同意してくれればうれしい」と述べた。

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『ハヤート』(3月1日付)は、EUは、英国などの要請に基づき、シリアに対する制裁の改訂し、反体制勢力への「非戦闘的」な装甲車輌、軍事関連装備の輸出、技術支援を認める決定を下したと報じた。

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はカイロで、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・マアーッズ・ハティーブ議長による対話イニシアチブに関して「長く待った末にようやっと示された」としたうえで、シリア政府と反体制武装勢力に対して、カイロ、イスタンブール、パリなど場所を問わず、無条件で対話を行うよう呼びかけた。

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インマール・ハムード・シリア避難民問題担当報道官は、ヨルダンのシリア人避難民の数が42万1240人に達したと発表した。

うち、ザアタリー避難民キャンプには10万8000人が収容されているという。

AFP(2月28日付)が報じた。

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クロアチア首相は、UNDOF派遣部隊の撤退を指示したと述べた。『ニューヨーク・タイムズ』(2月28日付)などが報じた。

AFP, February 28, 2013、Akhbar al-Sharq, February 28, 2013、Damas Post, February 28, 2013、al-Hayat, March 1, 2013、Kull-na Shuraka’, February 28, 2013、al-Kurdiya News, February
28, 2013、Naharnet, February 28, 2013、The New York Times, February 28, 2013、Reuters, February 28, 2013、SANA, February 28, 2013、Zaman al-Wasl, February 28, 2013などをもとに作成。

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