トルコ軍戦闘機がシリア軍ヘリコプターを撃墜、トルコがアル=カーイダ系組織を動員しタッル・アブヤド市(ラッカ県)制圧を画策(2015年5月16日)

トルコのイスメト・ユルマズ国防大臣は、トルコ領空に侵入したシリア軍ヘリコプター1機を撃墜したと発表した。

ユルマズ国防大臣によると、このヘリコプターはトルコ領内11キロの地点に約5分間にわたって侵入を続けたため、インジルリク空軍基地所属のトルコ軍のF-16戦闘機がこれを撃墜したという。

一方、複数の活動家は、F-16戦闘機の攻撃を受けたシリア軍ヘリコプターは、トルコ領内ではなくシリア領内、イドリブ県ザルズール村・ハマーマ村間に墜落したとして、その写真をインターネット上で公開した。

これに関して、SANA(5月16日付)は、シリア軍の「無人小型機」が墜落したと伝えた。

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クルド戦線旅団(自由シリア軍)のアフマド・ハッスー報道官はARA News(5月16日付)に対して、トルコがアル=カーイダ系組織戦闘員などを動員して、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるラッカ県タッル・アブヤド市を制圧しようとしたが、失敗に終わったと暴露した。

ハッスー報道官によると、トルコ政府は今年2月、シャームの民のヌスラ戦線とシャーム自由人イスラーム運動の戦闘員1,700人からなる「第10師団」を後援し、タッル・アブヤド市からダーイシュの放逐を試み、その後は直接介入を画策し、「トルクメン民政評議会」にタッル・アブヤド市の自治を委任しようとしたが、いずれの計画も頓挫したという。

AFP, May 16, 2015、AP, May 16, 2015、ARA News, May 16, 2015、Champress, May 16, 2015、al-Hayat, May 17, 2015、Iraqi News, May 16, 2015、Kull-na Shuraka’, May 16, 2015、al-Mada Press, May 16, 2015、Naharnet, May 16, 2015、NNA, May 16, 2015、Reuters, May 16, 2015、SANA, May 16, 2015、UPI, May 16, 2015などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

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