軍がダマスカス郊外県の複数市に対する空爆を実施するなか、アレッポ県ではタフタナーズ空軍基地周辺で軍とヌスラ戦線を含む反体制武装勢力が交戦(2013年1月4日)

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国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ドゥーマー市、ダーライヤー市、ヤブルード市・ナブク市間一帯などが軍の空爆を受けた。

またバイト・サフム市、アクラバー村などで軍と反体制武装勢力が交戦した。

筆者(2011年9月25日)撮影

さらにナブク市では、爆弾が仕掛けられた車2台が爆発、同監視団によると、うち1台は市内の軍事情報局施設を狙った攻撃だったという。

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン所長はAFP(1月4日付)に対して、1月3日夜以降、軍がダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市周辺に進軍し、集中的に掃討作戦を行っている、と述べた。

一方、『ワタン』(1月4日付)は、「昨日(1月3日)早朝、軍はダーライヤー市での戦闘を集結させ、(シャームの民の)ヌスラ戦線のアジトを破壊、テロリストは死傷するか、捕らえられた」と報じた。

そのうえで、同紙は4日夜には、同市の「安全」が宣言され、ダマスカス県の南部回廊の「安全は回復した」と報じた。

他方、SANA(1月4日付)によると、ドゥーマー市、ハラスター市郊外、ダーライヤー市、ザバダーニー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、バフダリーヤ村などで、軍が反体制武装勢力を追撃し、イスラーム旅団メンバーなど多数の戦闘員を殺傷、拠点・アジトを破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、カルファー村郊外のガザーリー・コンプレクスを自由シリア軍が襲撃し、政治治安部長のルストゥム・ガザーラ准将の家族1人が殺害、1人が負傷、1人が拉致された。

殺害されたのはフサーム・ガザーラ(甥)、負傷したのはファーイズ・ガザーラ(弟)、誘拐されたのはジャラール・ガザーラ(いとこ)。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ジャウバル区、スルターニーヤ地区を軍が空爆した。

またカルアト・ヒスン市で軍と反体制武装勢力が交戦した。

一方、SANA(1月4日付)によると、カルアト・ヒスン市、タッルカラフ市郊外、クサイル市郊外で軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、拠点・アジトを破壊した。

また国境警備隊が、レバノン領内からタッルカラフ市郊外への潜入を試みる反体制武装勢力を撃退した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、タフタナーズ空軍基地周辺で、軍とシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人大隊、イスラーム前衛隊、ダーウード大隊が交戦した。

一方、SANA(1月4日付)によると、タフタナーズ市、トゥウーム村、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、マストゥーマ村周辺、ラーミー村などで軍が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊、武器弾薬を押収した。

他方、イドリブ市では反体制武装勢力がタフターニーヤ広場のゴミ捨て場に爆弾を仕掛け、爆発、これにより市民1人が死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ国際空港を防衛する第80旅団本部周辺で軍と反体制武装勢力が交戦し、後者の戦闘員1人が死亡した。

また、シリア人権監視団は、ドゥンヤー・チャンネルのスハイル・マフムード・アリー記者が、アレッポ市の政府側の支配地域で殺害されたと発表した。

これに関してドゥンヤー・チャンネル(1月4日付)は「テロリストの銃弾を受けて死亡した」と報じた。

一方、SANA(1月4日付)によると、ムスリミーヤ村・シャイフ・ファーリス市間の街道、フライターン市、シャイフ・サイード市、マアラーター村、アターリブ市、カブターン・ジャバル村、アレッポ市ライラムーン地区などで軍が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

他方、反体制武装勢力がドゥワイリーナ地方のイブン・ハルドゥーン精神病院を襲撃し、医療スタッフなどに暴行を加え、機材を破壊した。

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『シャルク・アウサト』(1月4日付)は、アサド大統領の私設事務所の所長を務めるムハンマド・ハイル・ウスマーン少将が何者かに殺害された、と報じた。

同報道によると、実行犯は明らかではないが、遠距離から狙撃され負傷、ダマスカス県内のシャーミー病院で息を引き取った、という。

これに関して、反体制活動家の複数のサイトでは、自由シリア軍の諜報機関「シャーム連隊」の支援のもと、「特殊部隊」が暗殺を実行したとの書き込みがあった。

一方、スーリヤー・プレス(1月4日付)は、ウスマーン少将の死が自然死だと報じた。

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ハマー県では、SANA(1月4日付)によると、タイバト・イマーム市で、軍が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員多数を殲滅した。

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省は国連人権高等弁務官に書簡を送り、そのなかでシリアの紛争が「明らかに宗派的」様相を帯びてきたとの見方を示したとの12月20日の人権理事会国際調査委員会の報告書について、「作成に際してのプロフェッショナリズムと中立性を欠き…、その結論は一部の国の政治的方向性と調和させられている」と批判した。

また「犠牲者から直接情報を収集したと委員会が主張しているにもかかわらず、報告書はNGOや…シリアの危機に直接関与している諸外国が提供した信頼を欠く情報に依拠した証拠によってゆがめられている」と付言した。

反体制武装勢力の動き

アフバール・シャルク(1月4日付)は、フェイスブックなどで反体制活動家が「自由人に包囲解除を呼びかけるヒムスの金曜日」と銘打って反体制デモを呼びかけ、ダマスカス郊外県アルバイン市、ラッカ県ラッカ市、ダマスカス県バルザ区、ジャウバル区、カダム区、アサーリー地区、アレッポ県アレッポ市、ダルアー県各地などでデモが発生した(未確認情報)と報じた。

またクッルナー・シュラカー(1月5日付)によると、ハサカ県のカーミシュリー市、ダルバースィーヤ市、アームーダー市、アレッポ県ラアス・アイン市で、反体制デモにクルド人数千人が参加した、という。

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シリア国民評議会に参加するシリアのための国民行動グループは声明を出し、アサド政権への武器供与、航空機・戦車・迫撃砲の使用を停止させるための措置を講じるよう呼びかけた。

しかし同グループは、シャームの民のヌスラ戦線や同組織と共闘する自由シリア軍による暴力やテロの抑止については何ら言及しなかった。

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アレッポ県バーブ市で2012年10月に反体制武装勢力に捕捉されたルーニー・イブラーヒーム・ラーシド空軍大尉がユーチューブ(1月4日付)でビデオ声明を発表し、同県のクワイリス空軍基地の兵士たちに離反を呼びかけた。

諸外国の動き

オーストラリア外務省報道官は、100人以上のオーストラリア人がシリアでの戦闘に参加していることを認めたうえで、外国での戦争行為への関与が最高で20年の禁固刑に相当する重罪だと警告した。

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『ヒュッリイェト』(1月4日付)は、トルコ外交筋の話として、シリアの民主統一党がイラクのキンディール山地に潜伏するPKKから複数の命令を受けていることを示す情報をトルコの諜報機関が得たと報じた。

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『ハヤート』(1月5日付)などによると、5日未明、米軍のパトリオット・ミサイル発射台2器および兵員がトルコのガジアンテップ空港に到着した。

AFP, January 4, 2013、Akhbar al-Sharq, January 4, 2013、al-Hayat, January 4, 2013, January 5, 2013、Kull-na Shuraka’, January 4, 2013, January
5, 2013、al-Kurdiya News, January 4, 2013、Naharnet, January 4, 2013、Reuters,
January 4, 2013、SANA, January 4, 2013、al-Sharq al-Awsat, January 4, 2012、Souriya Press, January 4, 2012、Youtube, January 4, 2013、al-Watan, January 4, 2012などをもとに作成。

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