ハルキー首相を団長とする閣僚使節団がアレッポ市を訪問、ダマスカス県では親アサド政権パレスチナ人民兵が反体制武装勢力およびパレスチナ人戦闘員と交戦(2012年12月17日)

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国内の動き

ワーイル・ハルキー首相を団長とする閣僚使節団がアレッポ市を訪問し、ムハンマド・ワヒード・アッカード県知事、アレッポ県の経済・社会・宗教界の代表と会談、アレッポ県のライフライン復旧、食糧(パン)・燃料(灯油)供給に尽力するとの意思を伝えた。

SANA, December 17, 2012

使節団は、ハルキー首相の他、ウマル・イブラーヒーム・ガラーワンジー福祉問題担当副首相兼地方自治大臣、イマード・ムハンマド・ディーブ・ハミース電力大臣、ムハンマド・ヤフヤー・マアッラー高等教育大臣、ハズワーン・ワッズ教育大臣、ムハンマド・ザーフィル・ミフバク経済対外通商大臣、アドナーン・アブドゥー・サフニー工業大臣、サイード・ムウズィー・フナイディー石油鉱物資源大臣、ジャースィム・ムハンマド・ザカリヤー社会問題労働大臣、サアド・アブドゥッサラーム・ナーイフ保健大臣などから構成されていた。

SANA(12月17日付)が報じた。

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ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、「パレスチナ人の閉塞状況の責任は国連と国際社会にある。なぜならパレスチナ人民の合法的な権利に関わる国連決議を履行しないからだ」と述べた。

またムアッリム外務在外居住者大臣は、「シリアがパレスチナ人同胞に対して数十年にわたり与えてきたものは、他のいかなる国も及ばない」と付言した。

さらにムアッリム外務在外居住者大臣は、パレスチナ人に対してヤルムーク区で「テロ集団」に潜伏先や支援を提供せず、テロリストを放逐せねばならないと呼びかけた。

この発言はヤルムーク区に対する軍の攻撃への「重大な懸念」を表明した潘基文国連事務総長の発言を受けたもの。

SANA(12月17日付)、シリア・アラブ・テレビ(12月17日付)などが報じた。

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『アフバール』(12月17日付)はファールーク・シャルア副大統領のインタビュー全文を掲載した。

そのなかで、シャルア副大統領は、「大統領閣下との面談する機会を与えられた者はみな、これが長期にわたる紛争になり、陰謀が強大で、その当事者が多様だと大統領から聞くことになろう…。彼は最終的な勝利を実現するまで事態を軍事的に決着させようとする意志を隠すことはない…。そのうえで政治的対話は現実的に行い得るものとなる」と述べた。

12月14日に行われたインタビューで、シャルア副大統領はまた「我々は個人や体制を擁護しているのではなく、シリアの存在を擁護している…。解決は地域の主要諸国と国連安保理を含んだかたちでの歴史的関係正常化を通じてなされねばならない…。関係正常化はすべての暴力の停止、挙国一致内閣の発足が保障されねばならない」と付言した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区で、アサド政権を支持するパレスチナ人民兵(PFLP-GC)が、シリアの反体制武装勢力およびパレスチナ人戦闘員と交戦した。

ダマスカス郊外県では、反体制武装勢力によると、軍が増援部隊を派遣しダーライヤー市包囲を強化した。

一方、SANA(12月17日付)によると、ズィヤービーヤ町、フジャイラ村、フサイニーヤ町、ザマルカー町、ドゥーマー市、ハラスター市などで軍が反体制武装勢力を攻撃し、「軍事評議会」メンバーを含む多数の戦闘員を殺傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハルファーヤー市郊外の軍の検問所を、反体制武装勢力が攻撃したが、軍の反撃を受け、戦闘員7人が死亡した。

しかし同監視団によると、反体制武装勢力はハマー市郊外の「ほとんどの検問所を襲撃し…、シャイフ・ハディードの検問所の軍を撤退させた」という。

反体制武装勢力による攻撃は、ハルファーヤー市、カルナーズ町、カフルズィーター市、カフルヌブーダ町などの検問所に対して行われているという。

この攻撃に先立って、自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)のカースィム・サアドッディーン大佐が声明を出し、「ハマー市解放作戦」を開始したと発表した。

また自由シリア軍ハマー県軍事評議会は、「アッラーの恋人」旅団、「アビー・フィダー」旅団、「アフル・バイト」旅団が「ハマー解放作戦」を開始したと発表した。

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アレッポ県では、SANA(12月17日付)によると、アレッポ市ブスターン・カスル地区などで軍が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(12月17日付)によると、ムサンミヤ地方で軍がシャームの民のヌスラ戦線メンバー多数を殲滅した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シンシャール街道で軍の車輌に仕掛けられた爆弾が爆発し、兵士4人が死亡した。

またラスタン市が軍の砲撃を受けた。

一方、SANA(12月17日付)によると、サムアリール村、ブルジュ・カーイー村などで軍が反体制武装勢力を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長が声明を出し、シリア国内でアサド政権の弾圧で死亡したパレスチナ人の数が900人に上る(未確認情報)と発表した。

レバノンの動き

米財務省は、ミシェル・サマーア元情報大臣を「特別指定国際テロリスト」(Specially Designated Global Terrorist)に指定した。

パレスチナ人の動き

ワファー通信(12月17日付)によると、マフムード・アッバースPA大統領は声明を出し、シリアのパレスチナ人居住区・キャンプへの攻撃を回避するため、アラブ連盟事務総長、国連事務局長と電話で協議した。

また同声明によると、駐シリアのパレスチナ諸派から、事態収拾のために早急に介入するよう要請があった。

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PFLP-GCのフサーム・アラファート報道官はラーマッラーで声明を出し、ダマスカス県ヤルムーク区のモスクに対するシリア軍の空爆に関して、「シリアの政治指導部、とりわけアサド大統領にこの犯罪の詳細についての釈明、犯罪者の処罰、公式の謝罪を求める」と述べた。

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PFLP-GCのアンワル・ラジャー報道官はダマスカスでAFP(12月17日付)に対して、ラーマッラーのアラファート報道官の声明を「戦線とは何の関係もない」と批判、「戦線の見解を表明はダマスカスの中央情報局からのみ発せられる」と述べた。

諸外国の動き

『ハヤート』(12月19日付)によると、国連バレリー・アモス人道問題担当事務次長は国連安保理に対してシリア訪問の報告を行い、そのなかでシリア政府に対して、人道支援のため国連および人道支援機関が反体制勢力と直接連絡を取り合うことに同意するよう求め、シリア政府がこれを承諾したとを明らかにした。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、シリア軍によるダマスカス県ヤルムーク区への空爆に関して「パレスチナ難民キャンプの治安の責任はシリア当局にある」と述べるとともに、「パレスチナ人が受けている暴力は…国際法違反だ」と述べた。

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トルコの『ラディカル』(12月17日付)は、12月3日のロシアのウラジーミル・プーチン大統領のイスタンブール訪問時にレジェップ・タイイップ・エルドアン首相が2013年第1四半期中のアサド大統領の退任とシリア革命反体制勢力国民連立への政権移譲を骨子とする紛争解決策を提示していた、と報じた。

同紙によると、この提案は、米国、ロシア、エジプト、カタール、国連の間で審議されているという。

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『ハヤート』(12月19日付)は、パトリオット・ミサイル配備のためNATOドイツ軍がトルコに到着した、と報じた。

AFP, December 17, 2012、al-Akhbar, December 17, 2012、Akhbar al-Sharq, December 17, 2012、al-Hayat, December 18, 2012, December 19, 2012、Kull-na Shuraka’, December 17, 2012、al-Kurdiya News, December 17, 2012、Naharnet, December 17, 2012、Reuters, December 17, 2012、SANA, December 17, 2012などをもとに作成。

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